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組み体操でまた事故! 事故の背後に安倍政権と文科省の「正義」「感動」押し付け教育が

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内田良『教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』(光文社)

 また、組み体操で事故が起きた。9月27日、大阪・八尾市の中学校で行われた運動会の組み体操で10段のピラミッドが崩れ、6人が重軽傷を負った。

 組み体操については、2013年に8000件以上の事故が起きるなど、以前からその危険性が叫ばれてきた。

 だが、この期に及んでも、下村博文文科相は「怪我をするとかあったとしても、それ以上の教育的成果・効果があるのであれば、それはやる意味がある」などと主張している。実際、この組み体操の相次ぐ事故の背景には、第一次安部政権以降の教育方針が見え隠れしている。

 ライターの武田砂鉄氏は本サイトで、内田良氏の『教育という病』(光文社新書)を紹介。組み体操の問題を指摘していた。ここに再録するので、ぜひ読んでほしい。
(編集部)

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 まずは具体的な数値を並べてみたい。1983〜2013年度の過去31年間に運動部の部活動で850人が命を落とし、同じ期間に学校柔道では118名が死亡している。運動会の花形種目である組体操では、2012年度の統計で6533件の負傷件数が確認されている。教育現場で繰り返されてきた事故はその都度精査されることなく、「(スポーツや運動会には)怪我がつきもの」という常套句で済まされ、次なる事故を呼び込んできた。

『教育という病 子どもと先生を苦しめる「教育リスク」』(光文社新書)の著者・内田良氏は、これを教育の世界に蔓延る「つきもの論」だとする。内田氏が、死亡事故が相次いでいた柔道事故を世に問うたときには「柔道に怪我はつきもの」と返され、巨大化・高層化する組体操の危険を訴えても「怪我はつきもの」が繰り返され、多様な家族形態に配慮しない「1/2成人式(10歳になった節目を親子で祝う学校行事)」の問題点を指摘しても、「どんな行事や授業も、それを不満に思う子供はいる」で済まされた。

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