いや、それ以前に反対代表の木村氏の発言を歪めて広めている時点で、もはや何の釈明にもなっていない。こんな姿勢で“公平公正”な討論番組がつくれるのか?と疑いが濃厚になっていくだけだ。
先週9月6日の『日曜討論』では、山本太郎参議院議員が「メディアの報道という部分にも問題があると思うんですね。たとえばNHK、偏向報道と言いますか、官邸に対するゴマすり報道がひど過ぎる」と猛然とNHKの番組でNHK批判を行い、スタジオを凍てつかせたが、番組スタッフの耳にはこの“反対意見”も届かなかったのだろう。
もちろん、『日曜討論』のこの姿勢の背景には、NHKの報道全体が安倍政権に尻尾をふっている状況があるからだ。たとえば、昨日9月12日には東京・新宿で賛成派デモが行われ、参加者数はわずか200人(主催者発表)だったが、NHKニュースはこれをしっかり報道。一方で、その10倍近い人数が連日、反対デモを行っているのに、こちらはごくたまにしか報道することはない。これは明らかに、官邸の顔色をうかがっているからだろう。
官邸にゴマをするだけでなく、反対意見さえ自分たちの都合のいいように書き換え、大多数の国民の民意も無視するNHK。──今晩9時から放送されるNHKスペシャルの10党討論は一体どんな“誘導”を行うつもりなのか。「両耳でしっかり聞いて」やろうではないか。
(水井多賀子)
最終更新:2015.09.14 09:19