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読売、産経の安保法制報道に「異常すぎる」の声! 池上彰は「朝日より問題」、斎藤美奈子は「特高警察風」と

 では、具体的に読売・産経の紙面はどのように“おかしな報道”を行っているのか。8月30日に行われた国会前デモの報道を通じてそれを分析・批判しているのは、文芸評論家の斎藤美奈子氏だ。

 斎藤氏は東京新聞の連載「本音のコラム」(9月2日付)で、デモ翌日の8月31日の全国紙の報道を総ざらい。朝日は一面と二面、社会面で、毎日も一面と社会面で伝えたとした上で、読売にこう切り込む。

〈苦笑したのは読売新聞だ。社会面に載った小さな記事の見出しは「安保法案『反対』『賛成』デモ」。二十九日に新宿で行われた賛成デモ(主催者発表で五百人)と、国会前の反対デモ(同十二万人)を同列に扱い、さも意見が拮抗している風を装う〉

 しかし、斎藤氏は〈ここまではまだマシ。笑いが引きつるのは産経新聞だ〉といい、社会面の記事は〈「デモ=騒擾」とみなす姿勢がありあり〉と解説。さらにSEALDsについて公安関係者への取材をもとに〈実態は不明な部分もある〉と伝えている点を、斎藤氏はこのように表現している。

〈読売が御用新聞風なら悪意に満ちた産経の報道は、もはや市民の敵レベル、特高警察風である〉

 そして〈市民運動に対する認識も五十年古い。ジャーナリズムの看板はもう下ろしたら?〉と喝破。まさに一刀両断である。

 産経は以前にも国会前の反対デモにおけるシュプレヒコールを〈倫理的に問題のある「ヘイトスピーチ」といって過言ではない〉などと報道している。言うまでもないが、「ヘイトスピーチ」とは、人種、性別、民族など、自分では容易に変更することができない属性を根拠にした差別的表現、あるいは差別によって犯罪行為を助長する表現のことを指す。だが、産経の手にかかれば為政者に対する批判さえ「ヘイトスピーチ」になるらしい。たしかにこんな認識でよく恥ずかしげもなく〈ジャーナリズムの看板〉を掲げていられるのか、不思議なくらいだ。

 といっても、産経については昔からトンデモ報道が多すぎて、もうすでに多くの人が“ネトウヨ機関紙”程度にしか見なしていないはず。そういう意味でいうと、読売のほうが問題の根は深い。

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