橋下徹オフィシャルウェブサイトより
この男が嘘つきであることは重々承知していたが、まさかこんなにすぐ露骨に手のひら返しをやってのけるとは……。
もちろん、維新の党を離党して、「大阪維新の会」の国政政党化を表明した橋下徹大阪市長のことだ。
今年5月、住民投票で大阪都構想が否決された際、この男が何をしゃべったのか、もう一度思い出してみてほしい。
会見に姿を表した橋下市長はやけにサバサバした表情で「市長の任期はやり遂げるが、政治家はもうやりません」と明言。報道陣の「気が変わることはないのか」という質問にもこう答えた。
「それはないですよ。政治家ですから。負けは負けです。戦を仕掛けてたたきつぶすとまで言ったが、こっちがたたきつぶされた。これが民主主義なんです」
また、過去に出馬しないといいながら態度を変えたことを問われても、
「また2万%と言わせたいんですか(笑)。あのときはああ言わないと、テレビに出られないという事情があったのでああいう言い方をしましたが、今回はありません!」
さらに、10年後、20年後に復活する可能性についても、
「ないです。僕は今回、住民のみなさんの気持ちをくめていなかった。そういう人が政治家をやってはいけない。僕みたいな政治家はワンポイントリリーフだ。僕は僕自身を実務家と思っている。僕みたいな政治家が長くやる世の中は危険です」
と言いきっていた。
それが、わずか3ヶ月とちょっとで、「大阪維新の会という国政政党を作る」と宣言したのである。いや、3ヶ月どころの話ではない。先月27日の段階でも、橋下市長は維新の党からの離党は表明していたが「僕と松井知事は、国政政党維新の党を離れて大阪、関西の地方政治に集中する」と言っていた。それがたった2日後の29日に「国政政党」発言である。その二枚舌はもはや詐欺師の領域と言うべきだろう。