それでも、念願かなってジュリー派になった彼ら。ジュリー氏が派閥争いでライバル心を燃やしていた飯島氏ではなく、自分がいいと言ってきてくれたHey!Say!JUMPのことをかわいがらないはずがないだろう。その結果、“ポスト嵐”として売り出すために今のゴリ押し状況が出来上がったというわけだ。
もっとも、Hey!Say!JUMPが本当に嵐になれるかどうかは難しい。
Hey!Say!JUMPのメンバーは、「嵐のワクワク学校2015」のイベントなどでも「嵐のようになりたい」と度々コメントしているようだが、嵐は5人、Hey!Say!JUMPは9人。嵐やNEWS、V6は、不安やメンバーに対するライバル心などから小説やキャスター、芸術家など、自分のキャラを立てる場を模索したり、ギスギスした時期も経て切磋琢磨することで、お互いに認め合える仲の良いグループになっていった面はある。
V6でもトニセン、カミセンの格差はあったし、Kis-My-Ft2でも、格差があったからこそブサイクいじりをされ、舞祭組というユニットが誕生した。NEWSでも脱退した山下智広や手越祐也ばかりが注目されていたが、その間に加藤シゲアキは小説家、小山慶一郎はキャスターとして活動の幅を広げた。Hey!Say!JUMPがなりたいと言う嵐だって、当初は松本潤を嵐の“キムタク”(=センター)として売り出す戦略をとろうとしていたのだ。それが失敗し、結果として今のような状況になったに過ぎない。
現在、Hey!Say!JUMPの仕事量としては7、8割が山田で、あとの2、3割をドラマで活躍する中島裕翔と有岡大貴・八乙女光の『ヒルナンデス!』コンビがもっているようなもの。『24時間テレビ』では、イギリス育ちの岡本圭人が得意の英語を披露したり、明治大学建築学科出身の伊野尾慧が図面をひいたりと、ほかのメンバーが個性を発揮する場面もみられたが、Hey!Say!JUMPは人数が多いぶん、ほかのグループよりも差別化が難しいだけに、こうした個々のウリを確立できるか。彼らがポスト嵐になれるかどうかは、そこにかかっているだろう。
スポットが当たるメンバーは時期によってちがうが、突出したメンバーの存在でひっぱっていく、というのは昔からグループアイドルの王道。そういう意味では、「全員平等に」というHey!Say!JUMPの選んだ道は茨の道だが、どのグループもやっていないことだから、ぜひ成功させてもらいたい。
(島原らん)
最終更新:2015.08.23 11:31