そして、デカデカと顔入りの写真で微笑むのは、在特会ら数々のヘイト市民団体と深い交流を持つ、前衆議院議員で次世代の党所属の中山成彬氏だ。加えて、「正す会」が集会前に告知していたPDFページには「集会呼びかけ人」として、百田氏らの他、櫻井よしこ氏や、安倍首相と昵懇である八木秀次氏など、保守界隈で名の知れた言論人の名が記されており、実際、同会が公開している動画で集会の模様を確認すると、同じく「呼びかけ人」である「日本文化チャンネル桜」の水島聡社長や「新しい歴史教科書をつくる会」の杉原誠四郎会長らが来場していた。
本サイトの熱心な読者ならば説明不要だろう。ようするに、この「正す会」なる団体は“右派勢力オールスターズ”が支援する右派市民団体だったわけである。ちなみに、集会の司会進行を務めた手登根安則氏は、以前本サイトで報じた「基地反対派による沖縄女児暴行」というデマのきっかけをつくりあげた人物で、沖縄の有名なネトウヨとして知られている。
このように、バックにいるメンツがメンツならば、やはり集会の内容もお察しのとおりだ。登壇した加瀬氏が「開会のあいさつ」として、のっけからこんな調子でヘイトをかましている。
「沖縄の皆さんに、いったい日本を選ぶのか、それともチャンコロ、あ、失礼(会場笑)、それとも中国を選ぶのか、どちらかを選んでほしい」
平気で「チャンコロ」などという言葉が口をつき、かつ会場が笑いにつつまれること自体、この会全体のグロテスクな差別意識を表しているが、もちろん、ひどいのは加瀬氏だけではない。名誉顧問である中山氏も「(琉球新報と沖縄タイムズは)日本よりも中国を選ぶんだと、確信犯じゃないかなあと、そんな気すらするのであります」と“反日”のレッテル貼りに勤しんだかと思えば、百田氏もお仲間に囲まれ気をよくしてしゃべりたおす。
「(琉球新報の沖縄タイムスは)公開討論やろうよ、もうボッコボッコにしてやりたい。公開討論でぶっ潰す前に、私もよく知らないんで、今日の我那覇さん、綺麗な人ですね、彼女に作戦をたっぷり教えてもろてね、ハイ」
……いやはや、昨年の『殉愛』騒動で大火傷を負ったにもかかわらず、百田氏のお調子者っぷりには感服さえするが、その百田氏が鼻の下を伸ばしているのが「正す会」代表の25歳の女性・我那覇真子氏だ。我那覇氏は、前述の手登根氏らとともに「チャンネル桜」沖縄支局でキャスターを務めており、7月には国会前の「頑張れ日本!」主催の安保法制推進デモにもかけつけている人物。保守やネトウヨ界隈からは「沖縄のジャンヌダルク」「沖縄の愛国ヒロイン」などという渾名で呼ばれており、その初々しさに百田氏も気が気でないといったご様子だったわけだが、しかし、我那覇氏自身についても気になる点がある。