“やっぱり日本人サイコー!”とまくしたてる本の例
日本人が過去に向き合い、反省と悔恨を心に刻む季節。しかし、メディアのブームはまったく逆の様相を呈しているらしい。テレビをつければ、「日本人がすごい!」「外国人も日本を絶賛」という日本自慢の番組がやたら放映され、書店には日本人礼賛本がずらりと並ぶ。
『ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由』(フォルカー・シュタンツェル/幻冬舎)、『やっぱりすごいよ、日本人』(ルース・ジャーマン・白石/あさ出版)、『JAPAN CLASSそれはオンリー イン ジャパン』(ジャパンクラス編集部編/東邦出版)といった外国人目線で日本人を褒めあげる本。さらには、右派系知識人や保守派の評論家が気持ち悪いくらいの日本賞賛を繰り広げる本も目立つ。
「太平洋戦争で日本は負けたが精神では勝っていた!」
「東日本大震災直後の日本人の思いやりや互助の精神は素晴らしい!」
「お客を選ばずにどんな人にも応対する『おもてなし』の精神を世界は見習うべきだ!」
どうも保守系文化人と出版社は、ネタが尽き、ブームが過ぎつつある「嫌韓」本の代わりに、今度は“日本人礼賛”本を売り出し中のようだ。
しかし、日本人は素晴らしい!と結論ありきで本を出しているために、話がやたらオーバーだったり、事実関係を歪めたりしているものも少なくない。
プライドを慰撫するためにひたすら気持ちよく日本と日本人を褒めまくるだけの“愛国ポルノ”と化してしまっているのが実情だ。
そこで、今回はここ1年で出版された保守系文化人たちの「日本人礼賛」本二十数冊を一気読み。そのなかからトンデモ発言をランキングにしてみた。ではいってみよう。