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SKE時代にはもう戻りたくない…卒業したアイドルの告白から見る、アイドル業界の過酷さ、貧困、性接待強要の実態

〈女の子が増えたと同時に中小のいかがわしい事務所が増えたことにも問題はあると思います。DVDや撮影会にキャスティングできれば芸能事務所を名乗れるような状況なんです。そんな事務所の社長のなかには、女の子といかがわしいことをするための手段と思って運営している人も少なくない〉(「宝島」宝島社/15年1月号)

 同様の指摘は、アイドルライターの、永山あるみ氏からもなされている。

〈AKB48のブレイク以降、雨後の筍のようにアイドルが生まれているが(中略)いまや毎週のようにどこかしらのグループが不祥事を起こしている。その主たる要因は、アイドルブームに便乗して芸能のルールを知らない素人がアイドル運営に参入していること(後略)〉
〈仕事を得るためにプロデューサーと寝るといった枕営業は昔からあったが、「事務所関係者がタレントに手を出す」「アイドルがファンと交際する」というのは、タレントのブランド力を損なうだけで、ビジネス的には目先の欲に負けた愚かな行為だった。だが地下アイドル界ではこれが日常茶飯事〉(「宝島」宝島社/15年9月号)

 インターネットやSNSの普及により、口コミなど草の根の宣伝活動が威力をもつようになった昨今。大手事務所のオーディションに落ちてしまった人でも、規模の小さい環境とはいえ芸能活動をすることが可能となった。しかし、そのような時代の到来が、彼女たちをさらなる危険に晒していたとは……。

 低賃金、枕営業といった業界の悪癖がすぐに是正されるかどうかは分からないが、人々に夢を与える“アイドル”という職業が、アイドル本人にとっても“夢のある”職業になってくれる日が一日でも早く訪れることを祈るばかりである。
(新田 樹)

最終更新:2016.08.05 06:03

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