左・DVD『永遠の0』(アミューズソフトエンタテインメント)/右・DVD『火垂るの墓』完全保存版(ウォルト・ディズニー・ジャパン)
本日『永遠の0』が地上波初放送された。『殉愛』や「沖縄の新聞はつぶせ」発言ですっかりトンデモ評価を定着させた百田尚樹だが、この『永遠の0』だけはすばらしいという人が少なくない。
本サイトでは『永遠の0』が戦争賛美のファンタジーであることを繰り返し指摘しているが、「読まずに、百田だからレッテル貼りで戦争賛美と言ってるだけ」「『永遠の0』は戦争の恐ろしさを描いている」「命の大切さを訴えている」だから、『永遠の0』は反戦映画である、という声が変わらず多い。作者の百田自身も、「戦争賛美ではない」と主張している。
しかし、『永遠の0』を反戦だと思い込んでる方にぜひ読んでいただきたい記事がある。スタジオジブリの高畑勲監督の反戦への思いを紹介した記事だ。高畑勲監督といえば、戦争孤児を描いた『火垂るの墓』が有名だ。戦争の悲惨さを描いた同作は、海外からの評価も高く、公開から20年近く経ったいまなお“反戦映画”の名作として受け継がれている。
ところが、当の高畑監督は「『火垂るの墓』は反戦映画じゃない、『火垂るの墓』では戦争を止められない」と語っているのだ。
高畑監督のいう、本当の反戦とは何か。この高畑監督の言葉を紹介した記事を再録するので、『永遠の0』で涙を流しているヒマがあったら、読んであらためて考えてもらいたい。
(編集部)
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ついに日本時間の23日、第87回アカデミー賞が発表になる。注目は、長編アニメ映画部門賞にノミネートされている高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』の行方。長編アニメ映画部門で日本人がノミネートされるのは、宮崎駿監督以外でははじめてのこと。さらにもし受賞すれば、2002年の『千と千尋の神隠し』以来2度目の快挙となる。下馬評では『ヒックとドラゴン2(仮題)』の受賞が有力視されているが、『かぐや姫の物語』の群を抜いた芸術性によって、高畑監督は世界から視線を集めているといっていいだろう。
高畑監督といえば、1988年に日本で公開された『火垂るの墓』が海外でも高い評価を受け、イギリスでは実写映画化される予定も。いまなお“反戦映画”として引き継がれている名作だが、じつは、高畑監督はこの自作について意外な認識をもっているらしい。
「『火垂るの墓』は反戦映画と評されますが、反戦映画が戦争を起こさないため、止めるためのものであるなら、あの作品はそうした役には立たないのではないか。そう言うと大抵は驚かれますが」