リブロ池袋本店店舗詳細ページより
その独自の取り組みで多くのファンに愛されてきた書店、リブロ池袋本店が7月20日、ついに閉店になる。
リブロ池袋本店は、1975年に西武ブックセンターとしてオープンし、85年にリブロとして独立。80年代には「ニューアカデミズムの聖地」とも呼ばれるなど、知的でオシャレな「セゾン文化」を体現する存在だった。
その後も、アートやカルチャーを中心とした独自の棚作りに取り組み、ブックフェアやイベントという仕掛けをつくりだし、カリスマ書店員を次々輩出。「文化発信をする書店」の先駆けになってきた。
そんな名門書店までが閉鎖になるというのは、時の流れ、本が売れない出版不況がここまできたのか、と思いきや、そういうことではないらしい。
実はリブロ池袋本店は、経営不振ではなかったようなのだ。2014年2月期決算で同社の売り上げは211億円。これは前年よりも5%マイナスの数字だが、書店全体の落ち込みを考えると、かなり健闘している数字であり、実際、最終利益も黒字を計上していた。
「池袋本店単体で考えると、むしろ、前年よりも売り上げを伸ばしていたという話もあります」(書店関係者)
では、なぜリブロ池袋本店は閉店に追い込まれたのか。それは、同店が出店している西武百貨店池袋店から契約を打ち切られたからだ。そして、この背後には、西武百貨店のオーナーで、セブンイレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスのCEO・鈴木敏文会長の意向が働いているという。