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「民主党のせい」は嘘、新国立競技場は最初から安倍首相の親分・森喜朗の仕掛けだった

 有識者会議の初会合が行われたのは2012年3月6日。今の巨額予算の原因になっている「8万人収容」「開閉式の屋根」「可動式観客席の導入」等々の方針もこの有識者会議で決められた。

 同年7月には国際コンペの実施を決定しており、ザハ案を採用したのが11月だ。森氏は、この間、ずっと有識者会議のメンバーとして決定にお墨付きを与えていた。

 しかも、森氏は単にずっとメンバーとして名前を連ねていただけではない。国立競技場は、当初、東京が2016年の五輪に立候補したときには建て直す計画はなかった。ところが、日本ラグビー協会会長で、2019年ラグビーW杯誘致に動いた森元首相が、新しい国立競技場をW杯のメイン会場にしようと、2010年頃から新国立建設を画策し始めたのだ。

 しかし、国民的人気のないラグビー単体ではそんな巨大プロジェクトは動かせない。そこで、森氏は2020年東京五輪招致とセットにすることを思いつく。

 そのために、森氏は石原慎太郎都知事と「都が500億円を拠出する」という密約をかわす一方、プロジェクトを具体化するために国立競技場の事業主・JSCの人事に介入し始める。

 2011年10月、河野一郎氏が突然、JSC理事長に就任するのだが、河野氏はラグビー協会の理事で、森氏の右腕といわれていた人物。さらに、JSCの施設建築ワーキンググループの事務責任者に文科省・山崎雅男参事官(当時)が抜擢されるが、これまた森氏の子飼い官僚だった。

 そして、2012年3月、森氏も名前を連ねたJSCの「国立競技場将来構想有識者会議」は、ラグビーW杯メイン会場の条件を満たす「8万人収容」の基本計画をぶち上げた。ちなみに、五輪のメイン会場には収容人数の条件はない。

 さらに安倍政権が誕生後、五輪招致に成功すると、安倍首相は森元首相を東京五輪組織委員会会長にゴリ押し、森氏の右腕である河野氏も同委員会の副会長に就いた。

 現在、森氏は“五輪利権”の窓口となっているとも言われており、公式スポンサーの立場が喉から手が出るほど欲しい企業は、盛んに“森詣で”を行っているという。また、森氏の肝いりであるラグビーW杯は赤字確実とも言われており、その赤字分を五輪関係で集まった資金で補填する計画まで水面下で動きがあるらしい。

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