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自衛隊員への遺書強制だけではない! 安保法制にあわせ自衛隊が“戦死”前提の調査実施

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抽象的な答弁で逃げ切ろうとする安倍首相(首相官邸HPより)


 自衛隊員が戦死を想定した“遺書”を書かされていた──。

 陸上自衛隊の北部方面隊で2010年から12年にかけて、隊員たちが「家族への手紙」を書くように指示されていたことが分かったと、今日、毎日新聞が報じた。毎日新聞の取材に応じた元2等陸曹は、北部方面隊鹿追駐屯地に所属していたとき、上官から白紙1枚と茶封筒を突然渡され、「万が一、何かあった場合に家族に残す言葉を書いてみろ」と言われたという。階級社会である自衛隊において、これは事実上の“遺書”の強要。記事には元隊員のこんな証言が掲載されている。

「自分が入隊の宣誓をした時は、よその国の戦争に加勢することは想定していなかった。加勢で海外へ派遣される仲間は死んでも死にきれないだろう」

 毎日新聞によればこの“遺書”の命令が始まったのは2010年からだが、前年の09年、政権交代直前に与党自民党が「防衛計画の大綱」についての提言案を政府に提出しており、そこには、現在の安倍政権による安保法制と同じく、集団的自衛権行使や自衛隊派遣を随時可能にする恒久法の制定が盛り込まれていた。スムーズな海外派兵のために、武力行使による戦死を隊員に強く意識させる一種のマインド・コントロールとみていいだろう。

 しかも、今回の毎日の記事では触れられていないが、こうした隊員の“戦死”を前提にした自衛隊の動きは、集団的自衛権容認、安保法制にあわせて、さらに具体化している。

 安倍政権が集団的自衛権の閣議決定をしてから半年とちょっと、安保法制の閣議決定の少し前に、自衛隊が隊員全員に“戦死”を前提とした「秘密のカード」を配布し、記入を命令していたのだ。この事実は、6月、ジャーナリストの寺澤有がスクープし、それを本サイトが紹介したもの。その記事を再録するので、ぜひご一読いただき“安保法制に殺される自衛隊”の現状を知ってもらいたい。
(編集部)

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「自衛隊の部隊が安全な場所で活動を行うことについて従来と変更はなく、自衛隊員が戦闘行為に巻き込まれるリスクが高まるとか、後方支援を行う場所が『戦場』になるとは考えていない」

 安倍政権は安保法制での自衛隊リスクについて相変わらずこんなごまかし答弁を続けている。しかし、安保法制が成立すれば、自衛隊員がこれまでよりもずっと危険に晒され、戦死リスクが高まるというのは、誰の目から見ても明らかだ。

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