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安倍首相が安保法制の“丁寧な説明”のため雑誌に…でも選んだのはヘイト雑誌「WiLL」(笑)

 ならば言うが、砂川判決では米軍の駐留を肯定するために、「憲法9条2項が保持を禁止した戦力とは(中略)わが国自体の戦力を指し」とのくだりもあり、自国の戦力保持禁止を明確に謳っている。つまり、この判決を引き合いに出すなら、自衛隊そのものを否定しなければいけなくなるのだ。念のために付け加えるが、国会で「違憲」の見解を述べた憲法学者の長谷部恭男氏も小林節氏も自衛隊合憲論者だ。

 いわゆる「自衛隊員のリスク」についても、行数を費やしているが、何が言いたいのかサッパリよくわからない。〈そもそも自衛隊員の皆さんは、(中略)日頃から苦しい訓練を積んでおられます。(中略)いままでも、自衛隊員は危険な任務を担ってきました。(中略)同時に、災害においても危険な任務が伴うのだということは、より多くの国民の皆様にご理解いただきたいと思います〉。まず災害と戦争を同列に並べるのはいつもの手口だ。

〈リスクは認めています。(中略)批判する方たちは「リスクが増えるからやめろ」と言いたいのかもしれませんが、では、リスクがあるものは全てやめていいのか。(中略)自衛隊員は自ら志願して危険を顧みず、職務を完遂することを宣誓したプロフェッショナルとして誇りを持って仕事に当たっています〉。要するに結論は、志願してやってんだから死ぬのは覚悟の上だろう、と本音ではそう考えている。だが、決して口に出そうとはしない。

 その他、当サイトで論破し尽くした論点の繰り返しなので省略するが、これほどグダグダな法案なのに、与党で25回(も?)協議を重ねたものだから〈私たちとしてはベストなものであると確信しておりますので、法案を撤回するという考えはありません〉と高らかに宣言し、“この夏までに”成立をめざすというのだ。その理由は、昨年7月に閣議決定をして、12月にはその決定に基づいた法整備をすることを公約に掲げて国民の審判を受けたからだという。〈法整備の方針を閣議決定したうえで、選挙で公約に掲げて国民にお約束した以上、選挙直後の通常国会で実現を図ることは当然のことではないでしょうか〉。

 バカを言うな。安倍首相はあの選挙では、最初は消費税増税を先送りしたことについての審判を受ける選挙だと言い、解散時の会見では「この解散は『アベノミクス解散』であります。アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか。それを問う選挙であります」と、そう強調していたではないか。会見での発言はいまも官邸のホームページでチェックできるが、その後の質疑応答も含めて、「安保法制」などという言葉はひとことも出てこない。

 こうした矛盾を葛藤なく言い切ってしまえるのが、安倍首相の恐ろしいところだ。ヘイトで極右思想な上に、このサイコパス――ハッキリ言って手のつけようがない。この危機的状況から日本を取り戻すには、今後、あらゆる選挙で「自民党以外」に投票するしかない。そう断言しておく。
(野尻民夫)

最終更新:2015.07.03 08:07

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