一方、又吉がこれまで生きてきた芸人の世界、芸能界ではこういう政治的発言はご法度。サザンの桑田圭祐、爆笑問題の太田光を見ても分かるように、ほんの少し政治家を批判しただけで「芸能人風情が生意気な」といった非難を浴び、炎上状態になってしまう。最近の芸能人はむしろ、空気を呼んで、危ない話題を避けるのが一般的傾向で、又吉もこれまで政治的発言は一切したことがない。
とすると、これはひょっとしたら、又吉の覚悟を問う、樹木希林からの挑戦状なのではないか。「芸人として世間の空気に媚びて生きていくのか、それとも言論人として生きていくのか?」、日本ペンクラブの入会申込書をプレゼントすることで、彼にその選択を迫ったのかもしれない。
ちなみに申込書を受け取った又吉は「わざわざ取りに行ってくださったんですか。じゃあ、とりあえず申し込んでみますか(笑)」と答えているが、日本ペンクラブへの入会には、会員である文筆家2名の推薦が必須。会員ではない樹木希林に入会申込書をもらっただけでは入会することはできないのだが……。
(新田 樹)
最終更新:2015.06.25 06:19