「モーニング娘。のコンサートに行ったら人がワーッといっぱいいて、会場に来てるお客さんたちと話とかしてくうちに、仲間がいるって感じがしてね。コンサートを見てると元気が出てきたんですよ。女の子たちもみんな元気だし、集団劇的なものが好きだったんで」
タワーレコード代表取締役である嶺脇育夫氏も同様に、弱っている時期にアイドルに出会ったことでハマってしまった人物。彼は仕事で疲れて帰宅し、深夜にテレビを見ていたところ、偶然「恋愛レボリューション21」を歌っている姿を見てアイドルオタクへの道を踏み出した。その後、社内にアイドル専門レーベルを立ち上げるなどの活躍はご存知の通りである。
また、アイドルオタクの一般人に「なぜアイドルオタクになったのか?」を聞いたインタビュー集の岡田康宏氏『アイドルのいる暮らし』(ポット出版)では、ツイッターのフォロワー数6700を誇る有名オタク・ガリバー氏がアイドルにハマってきっかけをこう語っている。
「ある時期からあまり学校に行かなくなったんです。
結局、2回留年して6年で卒業してるんですけど、1年くらいはほとんど学校に行っていなかった時期があって、その頃に動画共有ソフトでハロプロの番組を見るようになりました。自分が建築に対して堕落していく中で、それを埋めてくれた、救ってくれたのがハロプロだったんです」
今日もテレビで元気よく歌い踊るアイドルたち。先日、本サイトでは、「病み」を告白するアイドルたちに迫った記事を発表したばかりだが、アイドルは自分たちが「病み」を抱え込まされながら、「病んだ」男たちを救い続けているということかもしれない。
(新田樹)
最終更新:2015.06.15 11:47