では、いったい、ジブリの側はどうなのか。ヘイトも表現の自由で、在特会にも価値があり、商売のためには差別に加担しても平気、という川上氏の考えを知ってなお、彼を自分たちの弟子として扱い続けるのか。とくに、師匠の鈴木敏夫氏は弟子の言動をどう考えているのか。
それを知りたくて、6月、都内某所で、鈴木敏夫氏を直撃した。
──鈴木さん、お伺いしたいことがあります。いま、鈴木さんのお弟子さんをされています、川上量生さんについてですが、在特会というヘイトスピーチを行う団体がありまして……
「ああ…」
──ごぞんじで?
「それは申し訳ないけれど、俺、何にも分かっていないから」
──いろいろとありまして、まず説明しますと……
「説明を聞いても、ねえ。申し訳ないけれど、それはコメントはできないんです。だって知らないから」
──ヘイトスピーチの問題も、川上さんがニコニコ動画で、そういったものを放置してきたことも。
「それを俺がちゃんと見ていればいいけれど、(自分自身は)何にもやっていないから(言及しようがない)」
──ヘイトスピーチ動画などを放置しているという話も?
「そう」
──だからコメントする立場にない、ということですか。
「そういうことです。すみませんね」
淡々と答えながら、マンションに入っていこうとする鈴木氏。その背中にむけて、最後にこうぶつけた。