そして風俗や都会に固執するセックスワーカーたちの心情をこう代弁する。
「私もまた19歳のときに地元を離れてから、東京の自分の部屋を維持することに固執して生きてきた。それは周囲から正しい幸福な選択には見えなかったかもしれない。私自身もしっかりと言語化できる理由があったわけではない。それでも確かに東京にいることは、私にとって捨てるわけにはいかないことだった」
鈴木でさえも“言語化”できないという当時の心境。自らの体験を重ねてセックスワークの世界を解明しようとする鈴木だが、それは今後も続くのだろう。
最後に鈴木の今後の活動を示唆するかのような一文を紹介したい。
「本当の貧困は『風俗後』に突然訪れるかもしれないというリスクは女性たち、そして社会も認識しておくべきだ」
風俗は貧困のセーフティネットにはなるかもしれないが、しかしそれはまた貧困の入り口にもなる。そんな指摘をする鈴木の「風俗後の女性たち」へのアプローチに今後も期待したい。
(林グンマ)
最終更新:2018.10.18 03:12