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ももクロ川上マネージャーとヒャダイン確執の真相 ももクロの本当の仕掛人は誰?

 では、ももクロの革新性とは何だったのかといえば、ももクロのいちばんの魅力として挙げられる“全力性”だろう。豪快に全力で踊り、下手でも必死に歌う。そうした、これまでのアイドルらしからぬ姿があったから、女性ファンの獲得や箱押し率の高さを誇ることができたはずだ。しかし、これもまた川上氏の手腕によるものではない。ももクロの全力性は、ヒャダインが作詞・曲・編曲を手がけた「行くぜっ!怪盗少女」が引き出したものだからだ。

 グループやメンバーの個性を打ち出した歌詞と、キャッチーでお祭り感にあふれたメロディ。この歌があがってきたからこそ、振り付けも衣装も突飛で豪快なものとなり、メンバー自身も振り切ることができた。実際、メンバーも「『怪盗少女』から曲もガラって変わったし、その曲があったからこそ、いまのももクロのダンスっていうものも付いた」(百田)、「いまのももクロがあるのは前山田さんのおかげなんじゃないかって、初めてのことに気付かせてくれた存在」(高城れに)とテレビ番組のインタビューで語っている。──モー娘。が国民的アイドルへと駆け上がった「LOVEマシーン」のように、ももクロにとっては「行くぜっ!怪盗少女」の存在はそれほどに大きかったのだ。

 だが、当然ながらヒャダインの力だけで、ももクロが国立競技場を満員にするほどのアイドルグループになったわけでもない。彼女たちが本来もっていたアイドル性──しかも処女性や性的魅力を売りにするような女性性から解放された自由で新しい形の──と“全力感”がうまく融合したために人気を獲得できたのだ。

 川上氏の“プロデュース”は結局つんく♂や秋元の二番煎じでしかなく、ここまでのグループに成長したのはメンバーの資質と出会いによるものに過ぎない──。じつはこの図式、川上氏が手本にした飯島氏にもあてはまる。飯島氏は架空の抵抗勢力をつくり上げて小泉をヒーローに祭り上げたことや、刺激的な短い言葉で観衆の思考を停止させる「サウンドバイト」を小泉に取り入れさせたことなどが革新的な政治手法だともてはやされたが、これらは飯島氏による発案などではなく、小泉自身の戦略、あるいは天然さから生まれたもの。飯島氏が行ったことといえば、自分がいかに策士であるかというイメージをマスコミに流布させただけだ。

 自分が有名になったのはあくまで本人たちの才能や資質であるにもかかわらず、あたかも自らの功績かのように語る。……坊主頭や恰幅のよさという表面上の共通点も多い川上氏と飯島氏だが、パーソナリティのほうもどうやら似ているらしい。

 それにしても、小泉の政治手法を無批判に称賛し、模倣してました!と嬉々として尻尾を振る川上氏には、呆れるほかない。

 しかし、この態度こそ、川上マネ改め川上“プロデューサー”の戦略というものなのだろう。事実、飯島氏は鼎談の最後に「東京オリンピックの開会式、ももクロでできたら面白いんだけどなぁ」と語っているからだ。

 権力にすり寄って国家プロジェクトに参加しようとする……こういう秋元康みたいな作戦って、ももクロファンがもっとも嫌悪することであるような気もするのだが。
(大方 草)

最終更新:2015.05.15 04:12

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