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“女子の刀剣萌え”に騙されるな! 日本刀ブームとネトウヨの根っこは同じだ

 何もネトウヨや刀剣に興奮する女子、軍艦美少女に萌えるオタクだけではない。れっきとした保守論客も同様だ。

 そのことがよくわかるのが、ちょっと前に文庫化された『ゼロ戦と日本刀』(PHP文庫)なる一冊だ。このなかに『永遠の0』の作者である百田尚樹氏と、「南京大虐殺はなかった」が持論の極右評論家・渡部昇一氏の対談が収録されているのだが、そこで百田氏はこんなふうに語っている。

「ゼロ戦は、あらゆる意味で日本と日本人を象徴している」「たとえるとその切れ味は、日本刀に似ています」「まさに名匠がつくった名刀といえます」「だからこそ、現在でも世界中にファンがいる。これも日本刀と似ています」

 なんというか、本当に文章で飯を食っている作家なのか?と思えるほど安直なご感想だが、結局、彼らにとって、「ゼロ戦」や「日本刀」というのは優越感を満たしてくれるわかりやすいアイコンみたいなものにすぎないのである。ここから透けて見えるのは、「ゼロ戦って世界最強だったんだぜ!日本人スゲー!」とか「日本刀のような美しい武器をつくれる日本人って……ほわああああ!」なる観念性自慰的思考回路にすぎない。

 しかし、この薄っぺらい自意識こそが今のネトウヨの群れの原動力となり、安倍政権を動かし、日本を戦前に引き戻そうとしている。

 だとしたら、同じような浅い歴史認識と薄っぺらな自意識をベースにした『艦これ』オタクや刀剣女子にもやはり言っておかねばならないだろう。

 アブナいよ、キミたち。
(宮島みつや)

最終更新:2016.08.05 06:45

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