左 内閣官房長官・衆議院議員 菅義偉ホームページより/右 『国家の暴走 安倍政権の世論操作術』(角川書店)
『報道ステーション』(テレビ朝日系)で爆弾発言を行った古賀茂明氏へのバッシングが止まらない。ネットでは、古賀氏に対して「捏造だ」「被害妄想だ」「陰謀論を平気で事実のようにしゃべっている」という声があふれ、そして、30日には、菅義偉官房長官が記者会見で、古賀発言を完全否定した。「テレビ朝日の『報道ステーション』のコメンテーター」が、生放送中に菅官房長官の名を挙げて「バッシングを受けた」と語ったことを、「まったくの事実無根」「事実に反するコメントだ。公共の電波を使った行為であり、極めて不適切だ」と批判したのである。
よくもまあ、こんな白々しい嘘がつけるものである。そもそも、菅官房長官は、この会見で「放送法という法律があるので、まずテレビ局がどう対応されるかを見守りたい」と発言。テレビ朝日に対して、あからさまな圧力をかけていたではないか。
これだけでも、菅官房長官が日常的にメディアに圧力をかけていることの傍証となるものだが、本サイトはもっと決定的な証拠を入手した。
古賀茂明氏が『報道ステーション』で「I am not ABE」発言をした少し後の2月某日、菅は会見の後のオフレコ懇談ではっきりと、古賀バッシングを口にしているのだ。その「オフレコメモ」を入手したので、ここに紹介しよう。
メモはまず、官房長官会見でのこんなやりとりが書かれている。
(会見)
Q イスラム国の事件を受けて、今月初めごろにフリージャーナリストや作家がマスコミの間で政権批判を自粛するような雰囲気が広がっていると指摘するような声明が出た。
マスコミも政権批判をすれば取材がしにくくなるという懸念があって、これをもって政府から暗黙の圧力という指摘もあるが
A まず、政府としては、もとより憲法が保障する報道、表現の自由は最大限尊重されると考えている。そして我が国においてもあらゆる政策についても、国会や言論界で自由闊達な意見の表明が行われているではないでしょうか。
つい先日、この運動をやっているかたが、テレビに出て発言をしていましたけれども、ISILへの対応について、政府を批判してましたけれども、あたかも政府が人命に本当に危険迫るようなことをしたと、あたかも見てきたような、全く事実と異なることを、テレビ局で堂々と延々と発言していました。そういうことを見ても日本はまさに自由がしっかりと保障されているのではないでしょうか。はき違えというのもあるかだろうと思います。
公式会見でも十分、マスコミ報道を皮肉るものだが、その後に、オフレコ制限がついた部分のメモがこう続いている。