「実話BUNKAタブー」(コアマガジン)4月号より
宮城県大衡村の村長に大阪の海遊館、同志社大学教授と、このところセクハラ事件が頻発している。しかし、一方では、セクハラ疑惑がささやかれながら、なんの告発もされずにいる会社もまだまだたくさん存在する。
政界にも太いパイプをもつカリスマ経営者・南部靖之社長が創業し、竹中平蔵元総務相を取締役会長に据えた人材派遣業界の大手「パソナ」もそのひとつだ。パソナといえば、ASKA覚醒剤事件(2014年5月)で、ASKAと一緒に逮捕された愛人の栩内香澄美被告(2015年1月13日、東京地方裁判所は懲役2年執行猶予3年の有罪判決を言い渡した)が南部社長の秘書で、ASKA容疑者と知り合ったのが、同社の“VIP接待の館”「仁風林」であったことが明らかになった。この“VIP接待の館”でのパーティには政治家や大物官僚などが出席していたことも報道され、栩内被告が性的接待をしていたかのような記事も多数出回った。
それまで、パソナは「働く女性を応援する」「女性の味方」企業と思われていただけに事件の衝撃は大きかった。だが、結局、パソナそのものは何の告発もされずに現在に至っている。
しかし、ここにきてそのパソナでかなり具体的なセクハラ疑惑がもちあがっている。「実話BUNKAタブー」(コアマガジン)4月号が「元社員が告発! 人材派遣大手パソナ社内で繰り広げられたセクハラ実態」と題して、同社の元女性社員たちの告発を掲載しているのだ。
この元女性社員たちは金澤さん(仮名)、沢木さん(仮名)、伊藤さん(仮名)の3人。全員、パソナグループのなかでも中核となる企業「株式会社パソナ」の営業部所属だった。入社年度は明らかにされていないが、派遣社員ではなく、派遣先企業を開拓する正社員として採用されたエリート。ところが、すぐに同社を辞めている。告発者のひとり、金澤さんは記事の中でその理由をこう語っている。
「パソナは本当に異常すぎる会社です。同期の3割以上は辞めてしまって、私たちも1年もちませんでした」
その「異常」のひとつが常軌を逸したセクハラだった。営業部の仕事は飛び込み営業の日々で、成功するとポイントが加算されるのだが、入社半年後、ポイントが高い新入社員が営業を管轄する常務執行役員主催のご褒美の焼肉パーティに呼ばれたのだという。常務は46歳にして会社のナンバー3、「仕事のことでアドバイスもあるのだろうと思って、メモ帳も持っていったけど、なんか雰囲気が違っていた」(金澤さん)。