あまりの多さに昨年6月に開かれたフジサンケイグループの持ち株会社・フジ・メディア・ホールディングスの株主総会では、株主から「産経新聞に『幸福の科学』の広告が多すぎるのではないか」との指摘さえあったという。
「幸福の科学は新聞広告につきもののダンピングもほとんどせずに、ほぼ正価で出稿しているという話です。出稿金額は、おそらく年間で1億円近くなるでしょう。産経にとっては、どんな批判を受けようが、この金は手放すことはできませんよ」(産経新聞関係者)
実際、広告を断るどころの話ではない。産経は広告ほしさゆえか、通常の報道・編集紙面でも「幸福の科学」のPR情報を率先して記事にしているのだ。
例えば、14年9月17日付の紙面では「幸福の科学大学」が取り上げられている。
記事では幸福の科学学園副理事長がインタビューに応じ、「(教授陣)は新興に関係なく熱意のある方に着任していただく予定です」「入試の際に幸福の科学の信者でないから不利になる、あるいは入学後に入信させるようなことはありません。入学する学生は、社会のリーダーになるための精神、使命感、知識を養ってほしい」とアピール。どう見てもPRとしか思えない記事だ。
そもそも、同大学はこの時期、文科省で設置認可の審査を受けている最中だった。しかも、カリキュラム等に問題が多いとして認可がおりず、計画は頓挫している。そんな段階の大学を全国紙が取り上げること自体がちょっとありえないだろう。
さらに、もうひとつ不可解なことがある。この産経の「幸福の科学大学」の記事は、2014年8月20日から始まった「2015 新設予定の大学ウォッチ」という連載の2回目という形をとっていたのだが、同大学が紹介された後に連載そのものがなくなっているのだ。
「いきなり幸福の科学大学だけを取り上げるのは露骨すぎるので、連載という形にしたんですかね。1回目は別の大学を取り上げて、2回目に、と。連載がなくなったというのも、幸福の科学大学を取り上げた後は用がなくなった、ということなのかもしれません」(新聞業界関係者)