──「ちんこ」は男を図るひとつの象徴だと。
志麻子 そうですね。でも好きな男でも「ちんこ小さそうだ」と思ったり、嫌いな男でも「デカそうだ」とか思う時もある。私は北朝鮮の嫡男金正男が大好きですけど、たぶん彼は「ちっさい」。小指大なんじゃないかな。小さそうでも好きなんです。
何を根拠にしているのか自分でもよくわからないですけど、多分「デカそうだ」と思うのはワケの分からん根拠なき自信があって堂々としている男。逆に「ちっぽそう」と思うのは、妙な繊細さを持っていて、怒り方がヒステリーというか八つ当たり的な怒り方をする男なんですね。たった今、分かりました(笑)。
こんな風に「デカそう」「小さそう」と言ってますが、私も自分のことを「ガバガバだ」と言ってます。ガバガバですから。そして女に対して「ユルそう」「ガバガバ」と言うのは好意を持っていることでもある。男の巨根に相当する。
「乳輪のデカそう」な女性に好意を持ちます。STAP細胞の小保方晴子さんは結構好きで、彼女もきっと乳輪がデカに違いない。裸割烹着で乳輪がチラッ、チラッと見えたらタマらんなと。それが好意なんです。
──ということは、志麻子先生の中で、安倍首相の立ち位置は?
志麻子 安倍さんって、私の中では好き嫌いでは当てはまらない人ですね。好きの逆は嫌いではなくて「興味がない、無関心」です。私の中で嫌いというのは好きの一分野。嫌いというのは気になるということで、気に触るのは“気にしてる”ということじゃないですか。
いろんな人に「志麻子さんは本当に残酷である。興味ない人間に対して剥製のシカのような目をしている」と言われるんです。安倍さんに対しても私は「剥製のシカ」状態になってテレビを見ているし、どちらかというとアッキーの方に興味がありますね。今回の「ちんこ」発言もアッキーから派生したもの。もし私もその現場にいたらアッキーに欲情するんだろうな。エロと言うのは想像力です。安倍さんのちんこそのものよりも「これが入っているんだろうな」という点に欲情する。全てエロ目線でみてしまう私なんです。
──ただ岩井さんのこうした発言に、安倍首相の親衛隊でもあるネトウヨが批判してくるんじゃないかと心配ですが。
志麻子 なに言ってるんですか! 私は「中央日報」に“極右派”と書かれた人間ですよ。そんな日本人、三島由紀夫先生以来じゃないですか。私ははっきり言ってあなたたちより格上よ! 強調しておきますけど、ネトウヨどころの話じゃない。韓国から三島由紀夫以来と認定されたわけですからね。不思議なのは愛国者ってなんじゃいという話になってきますが、なぜ愛国者は右翼になっちゃうんだろうと。左翼だって国を愛しているわけだし。何も考えていない人だって国を愛している。なんで愛国=右翼になっちゃうのか。ちんぽ小さい=馬鹿にしてるわけじゃないんです。
私自身、韓国で日本人という理由で嫌な思いをしたことは一度もない。それは彼らが愛国者だからだと思います。私だって中国人、韓国人に対してできるだけ親切にしようと思います。それは日本がいい国だと思って欲しいから。日本人を好きになって欲しい。立派な国だと思ってほしい。
でも今の日本は変ですよ。なぜわざわざ「日本人はお前らを嫌っているんだ!」と強調しないといかんのかしら? そんなことされていい気持ちになるわけないじゃないですか。私はこれまで体を使った日韓友好をどれだけしてきたことか。ホンマに。日韓友好、夜の外交官なんですからね。
自身の体験からの日韓論と「ちんこ」論。よくわからないが、志麻子先生、さすがである。ちなみにこの「TV Bros.」対談はこんな司会者の発言で締めくくられていた。
「アジアで一番表現の自由が保証された国、日本の、懐の深さをなめんなよ〜」
いや、日本が懐の深い国であり続けることを切に願っております。
(伊勢崎馨)
最終更新:2017.12.09 11:59