実際、山路も「お子さんがいる人がいたので、迷惑がかかることだけはっていうのはあった」と、彼にも麻木と“密約”があったことを明かしているが、それでもあれだけ開き直っていたのである。そして、復帰後の矢口には、こんなアドバイスも贈っている。
「矢口さん『最悪な人生』と言っているけれど、本当は今、一番幸せだと思う。世間を敵に回しても彼さえいてくれればっていう人生を生きてるわけでしょ? こんな幸せなことはない」
不倫の末に見つけた幸せ──。それを心の武器にして、たとえ「ヤリマン」と後ろ指をさされても、「それで芸能界干されちゃいました!」と捨て身キャラを演じればいいではないか。山路だって、あのバッシングが嘘のように、臆面もなく『口説きの技術』(角川書店)だの『修羅場を生き抜く力』(光文社)なんて本まで出版しているが、矢口だって『ヤリマンと呼ばれて』とか『真実の愛を見つける不倫の技術』といった本を出せる日だってやってくるかもしれないのだから。
とはいえ、復帰謝罪を行なったとき以上に、これは矢口にとって相当な決心が必要だろう。そもそも矢口とは、ワイプで必要以上にオーバーリアクションを取る姿からもわかるように、過剰に場の空気を読んで適応しようとする“優等生”タイプ。それが仇となり、「詳しくもないのにアニメ好きをアピールするな」などとネット上では反感を買うこともあった。本人の性格を考えると、イチかバチかの大博打に打って出ることは、かなりハードルが高いはずだ。
現に、「婦人公論」でのインタビューでも、今後の活動について「できれば「温泉旅番組」とか、ほのぼの路線をやりたいな……。(笑)」などと逃げ腰の矢口。それでも、矢口には逃げずにこの試練を乗り越えてほしい、と願わずにいられない。“男の不倫は甲斐性で、女の不倫は罰”という芸能界、そして世間の差別的な固定概念を、ぜひ突破してほしいと思うのだ。
いや、「ちょっと痩せます!」などと言っている矢口には、やっぱり荷が重いだろうか……。
(水井多賀子)
最終更新:2014.11.16 11:04