さらに、体型についても、まさかの発言が次々出てくる。体型に関する悩みを打ち明けるまーどぅーの2人に、Berryz工房のオシャレ番長・夏焼雅はこんなアドバイスを送る。
「(前略)あのね、ダイエットなんてまだしなくていいから。『よし、ごはん食べて頑張ろう!』とか思うじゃん。ごはんってポジティブに食べたほうがいいらしいよ。『これ食べたら太るな』とか思いながら食べていると、本当に太るらしくて。(中略)2人はまだ成長期なんだから、無理してダイエットなんてする必要ないよ」(夏焼雅)
まるで自分に言い聞かせているような「ポジティブに食べれば太らない」発言。他のメンバーも同じような考えをもっているらしく、徳永千奈美は体型を気にすることよりも大事なことがあると話す。
「私が思うのは、ファンの人の前でベストを出すことが一番大事っていうことなのね。やっぱりファンの人あっての活動だから。体型がどうとかいうよりも、もっと大事なことがあるはずだし……。たとえば痩せていても、不健康な見た目でステージもダメダメだったら意味ないじゃん。やっぱりライブは食べなくちゃやっていけないしさ。そのへんのバランス加減は、だんだんとわかってくると思うんだよね」(徳永千奈美)
スタイルのいい徳永はともかく、他のメンバーを見ると、バランス加減がほんとうにわかってくるのかという疑問もわいてくるのだが……。
とにもかくにも、マイペースなBerryz工房らしい発言が次々に飛び出してくるこのインタビュー。キャラクターが確立しているBerryz工房ならいいが、後輩へのアドバイスとしては、あまり役に立たないというか、中には悪影響を与えそうなものさえあるのも事実だ。
しかし、こうして読んでいると、ファンがいうように、この感じこそがBerryz工房の最大の魅力なのだ。空前のアイドルブームの中、多くのアイドルがガツガツして上をめざし、小賢しい自己ブランディングのことばかり考えている中で、唯一Berryz工房のメンバーは、自分の生理を優先させ、焦らず慌てず、ほんとうにやりたいことだけをやろうとしてきた。それでいて、12年もずっと第一線で活躍してきたのである。
そういう意味では、Berryz工房は芸能界の中でもかなり貴重な存在であり、活動休止はかえすがえすも残念でならない。誰か、彼女たちの“アイドル哲学”を引き継いでくれる存在はいないのだろうか……。
(田中ヒロナ)
最終更新:2015.01.19 04:17