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柳美里問題よりヒドい!? 大手・集英社でも著者軽視の強引商法が!

「なんだよ、今さらになって増刷したいって。去年末に在庫切れて書店からの発注も無視して。だから河出書房で復刊してもらうことにして、集英社はそれを認めた。つまり集英社は『時代劇は死なず』は『もういらねえ』と切り捨てたんだよ。そんな所から出すなんて、冗談じゃねえよ」
「他社で復刊することを了承して、それが正式決定して発売日も決まった段階上で増刷するって、なんだよ、それ。姑息な商売するなよ」

 どうやら、絶版状態にあった『時代劇は死なず』を河出書房新社から復刊することで正式に決定していたにも関わらず、集英社は『なぜ時代劇は滅びるのか』のヒットを受けて、ギリギリになって『時代劇は死なず』の増刷を決めたということのようだ。

 この集英社の行動に対して、「他社の復刊が出るまでの間に自分たちは売る努力せずに『なぜ~』のおこぼれで小銭稼ごうということなのでしょう」と斬り捨てる春日氏。さらには、

「しかし面白い。『時代劇は死なず』を刊行した打ち上げの帰りに『時代劇の本はもう出したくない』と言い放った編集者が、『なぜ時代劇は滅びるのか』のおこぼれで増刷しようという社の方針を伝えるんだからね。もちろん、あなたの希望通り、あなたとは時代劇の本を出すつもりはないのでご安心を」

 と、強烈な嫌味をぶつけている。

 自転車操業の中小出版社が原稿料を払えないのとは、まったく異なる大手出版社におけるトラブル。なんとも自分勝手で傲慢な大手出版社の態度が浮かび上がってくるようだが、このようなケースは決して少なくないという。あるIT関係者はこう話す。

「誰もが知ってる某大手出版社がウェブ系のコンテンツを作るということでプレゼンに行ったんですよ。感触も良くて、契約間違いなしという感じだったんですが、なぜかそれから連絡が来なくなった。で、半年くらいが経って、たまたまその出版社のサイトを見たら、僕がプレゼンしたコンテンツがそのまんま載っていたんですよ。正直目を疑いましたね」

 対価は払わず、手柄だけをぶん取ってしまおうという大手出版社。こんな不義理なやり口に対して、下請けは泣き寝入りをするしかないのだ。

 出版不況と言われる昨今。大手出版社だって、いつ危機的状況になるか分からないのが現実だ。いつまでも傲慢な態度で殿様商売をしているから、出版不況に陥っているような気もするのだが、大手出版社の皆さんは、そのあたりについてどう考えているのだろうか……。
(田中ヒロナ)

最終更新:2015.01.19 04:56

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