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早漏は脳の問題?話題の「早漏克服本」が提唱するトレーニング法とは

 氏が奨める「亀頭強化トレーニング」は次の3つ(本書ではもちろん分かりやすいイラスト入り)。1つめは「ローリング愛撫法」(手のひらと亀頭の密着面積がなるべく大きくなるようにして、手首を使って手のひらをローリングさせて亀頭全体を愛撫)。2つめは「指しぼり愛撫法」(片方の手でペニスを固定し、もう片方の手を女性器に見立て、ペニスをぴったりサイズの膣に挿入してるイメージで包み込み、ゆっくり上下させる。親指と人差し指で作った輪の内側でカリを引っ掛けるようにしながら引き上げる。そのまま亀頭を手のひらで摩擦しながら上げるが、中指、薬指、小指の純に指を絞り、ギリギリまで亀頭を締め付けるよう愛撫)3つめは「亀頭エッジ愛撫法」(ペニスを片方で固定し、親指と人差し指の間にできた薄い皮の部分で亀頭のエッジ(カリ)をやさしく丹念にこする)。

 そして、この3つの方法で亀頭を愛撫し、射精ラインを見極めつつ出そうになったら寸止めし、射精欲が収まるまで呼吸法を行いペニスを萎えさせ、落ち着いたら再開、というのを延々続ける。う〜ん、ますます大変そうだ。

 亀頭と寸止め練習を繰り返したら、いよいよ本丸の「気のコントロール」の訓練。氏はこの「気」というものを「肉体と精神の中間に位置するエネルギー体」だと定義付け、早漏になるのは気の滞りが原因だという。「性エネルギー」は女性の裸を見たり、喘ぎ声を聞いたり、オッパイを触るという性的情報を脳が受信することでどんどん増える。そして増幅する性エネルギーがペニスに集中するのがまずいのだ。

 氏は気をコントロールするには「気を溜めて」→「気を動かして」→「気を循環させる」ことだといい、「小周天呼吸法」なる気功術をマスターすることだと説く。そして、これさえマスターすれば早漏どころか、指先から気が出るため女性も昇天確実なのだという。で、この「小周天呼吸法」というのは……。

 ち、ちょっと待った! 「オナニー寸止め」「亀頭強化」だけでも大変なのに、気功法までマスターしなきゃいけないのか? ここまで過酷な修行を積む精神力があるなら、何か他のもっと偉業をなしとげられる気がするんだが……。
 
 でも、男性諸氏にとって早漏とか短小とかの性的コンプレックスはそれくらい重大な問題ということなんだろう。ああ、同書に啓蒙されて、亀頭をいじりながら「スーハー」と呼吸法を繰り返している姿が目に浮かぶ。でも、私はそういう男性、いじらしくってキライじゃないですけどね。
(岡崎留美子)

最終更新:2018.10.18 05:55

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