『恋愛3次元デビュー ~30歳オタク漫画家、結婚への道。~』(双葉社)
かつてはオタクといえば男のイメージだったが、近年はオタク女子も増加している。男性に免疫がなく、2次元の世界で妄想に生きている非モテのオタク女子も少なくない。『恋愛3次元デビュー ~30歳オタク漫画家、結婚への道。~』(双葉社)の著者であるカザマアヤミも、中高大と女子校に通い、男子とは目があっただけでも赤面涙目。少女マンガやエロゲーの世界で妄想し、2次元の中でしか恋してこなかった1人だ。そんな3次元の恋愛とは無縁だった彼女が、婚活にチャレンジしたという。無菌室で純粋培養されたオタク女子が婚活すると、どうなるのだろうか。
まず、幼い頃から妄想力がすごかったカザマ。小学生のときは少女マンガを読みすぎて、「男子と関わっただけで恋愛を妄想する体質」になってしまっていたという。目が合っただけで、相手は自分のことを好きで、そのまま抱きしめられて……と妄想してしまう。だから、好きな子やイケてる子の前では、即、赤面涙目。それ以外の男子にも、謎のツンデレを発動したり、からかわれるとヒロインモードに突入して「なによー」と相手の男の子をぶってしまったこともあったようだ。
そんな調子だから、いざ婚活しようという気になっても、男性に対しての免疫がないので、社交辞令もどんな話をすればいいかもわからず、女性としてどう対処したらいいか全くわからない。しかも、女子らしくふるまって、まわりの女子から“ぶりっ子”認定されるのも怖いとう自意識も働いてしまう。
ということで、まずはネットで知り合った人に1対1で会おうとメールをする。実際何人かの男性とデートするのだが、何か会話しなければと焦って質問攻めにしたり、「道路側危ないからこっち側に」と女の子扱いされたことにどう対処していいかわからず、考えすぎて黙ってしまう。親に紹介されたお金持ちの爽やかイケメンとも会ってみるが、話が合わず……。会うまではがんばるが、なかなかうまくいかない。
闇雲に男性に会ううちに気づいたのは、「自分が求めているのは、趣味の話ができる人」ということ。そんなときにTwitterで見つけたのが、麻雀とマンガいう同じ趣味を持つある男性。さっそくリプを飛ばし、「おお、麻雀良かったらご一緒したいですわ!」という返事がくると、社交辞令という発想がなかったのが逆に功を奏したのか、すぐに予定を聞いて約束を取り付ける。するとそれまでの男性たちとはちがい、話も合ってすぐに打ち解けた関係に。この人にだったら何でも話せる、そう思ったカザマは彼にこんな疑問をぶつける。「男性の皮ってどうなってるんですか?」――。