『恋とはバカであることだ』(リブレ出版)
日本中が大騒ぎとなった野々村竜太郎元県議の号泣会見。そのあまりの泣き喚きっぷりに、視聴者からは「みっともない」「コントかと思った」「早く辞めてほしい」と非難轟々だった。
しかし、なかにはそんな野々村氏の泣きっぷりに萌えている女性もいるらしい。「だんだんクセになってきた」「ダメっぷりに母性が刺激される」などの感想から、ネット上でも「可愛い」「ギャップ萌え」といった声があがっている。何がクセになるのか、どこが可愛いのか、何とのギャップなのかは不明だが、とにかくそういう声もあるらしいのだ。
まあ、さすがにあの泣き方では萌えないという人でも、W杯で敗退し、悔し涙を流す日本代表選手たちや、ドラマやアニメで泣く男子を思い浮かべてみると、キュンとするという人は少なくないだろう。そんな男の泣き顔好きにはたまらないBL『恋とはバカであることだ』(おげれつたなか/リブレ出版)が発売された。本書には、タイプの違う泣き虫男子たちがたくさん登場するので、そのなかから萌える泣き方を紹介してみよう。
まず、定番は一度も泣いたことがない人の泣き顔だろう。「外面だけは王子様♥」に登場するのは、外面だけは完ぺきなのに、中身はオレ様な潤也と、幼い頃からそんな潤也に奴隷のように扱われてきた“ツンツン”の秋。秋は、潤也が散々コキ使っても、カッとなって怪我をさせても、一度も泣いたことがなかった。しかし、モヤモヤする自分を抑えきれなくなった潤也がいきなり迫ってきたとき、はじめて感情を露にする。泣きながらボコスカ殴り、抵抗するのだ。そして放ったひと言が「まだ…好きとか、言ってないじゃん」というかわいすぎるもの。いつもはツンツンとしている男が真っ赤な泣き顔でこんなセリフを言えば、たしかに男でも萌えてしまうかもしれない。
年の差カップルだからこそ、お目にかかれる“年下泣き”と“年上泣き”というのもある。「恋とはバカであることだ」では、20歳でノンケの大学生・佐山と、12歳年上のカフェ店員・真木の恋模様が描かれている。どんなことにも動じず大人の余裕を見せる真木に対して、年下コンプレックスを刺激される佐山。不安に駆られた佐山は、思わず後ろから抱き締め、真木の肩に顔を埋めて泣いてしまう。そして、「真木さんはほんとに俺のこと好きなの?」と不安な気持ちをそのまま吐き出すのだ。これは、年下男子だからこそできる、かわいらしさ全開の泣き方だろう。