『じつは怖い外食 サラリーマンランチ・ファミリー外食に潜む25の危険』(ワニブックスPLUS新書)
普段あまり自炊をしない独身のサラリーマンにとってみれば、街中に溢れているチェーン展開の外食産業は、なくてはならない存在だろう。牛丼、ラーメン、ステーキ、定食、カレー、コンビニ弁当、チェーン店の居酒屋などで、ほぼ毎日の食事をまかなっている人も少なくないはずだ。また、休日も家族と一緒にファミレスに出かけたり、ホテルのレストランで恋人とデートすることもあるかもしれない。
しかし、それらのお店でどんな食材が使われているのか、気にしたことがあるだろうか。少し前、高級ホテルのレストランで産地偽装や食材の偽装が発覚したが、実はこうした飲食店の料理にはもっと驚くような現実が隠されているというのだ。
フードプロデューサー・南清貴氏の著書『じつは怖い外食 サラリーマンランチ・ファミリー外食に潜む25の危険』(ワニブックスPLUS新書)では、あまり公にされることのない“外食産業の危険”の数々が紹介されている。
たとえば、日本人が好んで食べる高級霜降り肉。口の中でとろけてしまう脂身たっぷりの柔らかいあの牛肉を、給料日のご馳走にするサラリーマンも多いかもしれない。しかし、南氏いわく「外食をするときに絶対口にしないもののひとつ」なのだという。
本書によると、霜降り肉は「高カロリーの穀物飼料を与えたうえ、少しでも早く太らせるためにビタミンAをわざと欠乏させて育てる」という、かなり珍しい飼育方式を採っているとのこと。ところが、ビタミンAが欠乏すると「ほとんどの場合、目が見えなくなる。それだけでなく、内臓脂肪がたまって脂肪肝となり、動脈硬化が起こる。極度に肥満して、糖尿病などのさまざまな病気も併発する」というのだ。つまり、霜降り肉は、重病を患っている牛の肉らしい。
牛肉といえば、ファミレスや安いチェーン店のフィレステーキなどにも問題がある。これらの店の肉はほとんどがいわゆる“加工肉”(成型肉)なのだという。加工肉とは、くず肉などを結着剤でつないで固めて、形状を整えた食肉のことなどだが、その結着剤というのが「重合リン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩」などの化学物質。しかも、加工肉は硬いので「タンパク質分解酵素」という化合物を使って柔らかくした後に、脂身や卵白を足すのだという。卵白が入っているなんて、もはや牛肉なのか何かのかもよく分からなくなってくるが、これが「チェーン店のステーキ」の実態なのだ。
では、魚はどうかというと、こちらにもリスクがひそんでいる。そのひとつが、日本人に好まれているサケだ。国内産サケの漁獲量は減少し続けており、その代わりにチリ産のサケが使われることが増えている。しかし、そのチリ産サケがかなり危険だというのだ。