『飲みものの危険度調べました』(渡辺雄二著/三才ブックス)
これからの暑い季節は、熱中症対策のために、水分補給をし、健康管理に努めたいもの。いったいどんな飲みものが水分補給にふさわしいのだろうか。「身体によさそうな飲みものも実は身体に悪かった? 子どもや家族が安心できる市販のドリンクはどれ?」と143品の安全性を見極めている『飲みものの危険度調べました』(渡辺雄二著/三才ブックス)によれば、スポーツ飲料の代表である大塚製薬のポカリスエットであっても、「水代わりに飲むのは×」だという。
「ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが水に溶けてイオン化しているため、人間の体液に近い状態になっている」ポカリスエットだが、「ただし、1本(500ml)に含まれるカルシウムは10mg、マグネシウムは3mgと少ないので、それらの1日所要量には遠く及びません。成人の場合、順に600mg、320mgが必要とされている」。
また、飲み過ぎにも注意が必要だ。同書は「糖分が1本(500ml)あたり31g含まれているので、水代わりに飲むのはよくありません。毎日水代わりに飲むと、かなり多くの糖分を摂取することになり、肥満や糖尿病の原因となる恐れがあります」と警鐘を鳴らす。
さらに、ポカリスエットと並ぶ代表的なスポーツドリンク・アクエリアス(コカコーラカスタマーマーケティング)にいたっては、避けたほうが無難だという。糖分の摂取を減らすために合成甘味料の「スクラロース」が添加されているためだ。
「スクラロースは、有機塩素化合物の一種で、動物実験では免疫に対する悪影響が示唆されています」「妊娠したウサギに体重1kgあたり0.7gのスクラロースを食べさせた実験では、下痢を起こし、それに伴う体重減少が見られ、死亡や流産が一部で確認されました。また、動物実験では胸腺や脾臓のリンパ組織を萎縮させることや、脳にまで入り込むことが分かっています」(同書より)
このスクラロースは、複数の研究者から脳腫瘍を起こす可能性が指摘されている「アスパルテーム」、免疫力が低下したり、肝臓がダメージが受ける可能性がある「アセスルファムK」とともに、砂糖類の代わりに用いられる3大“有害”合成甘味料の1つ。
「この3つの合成甘味料は、化学的性質や動物実験の結果などから、いずれも添加物として認められるべきものではありません。ところが、アメリカの圧力などもあって、厚生省が添加物として認可したため、多くの飲料やそのほかの食品に使われているのです」(同書より)
この3大“有害”合成甘味料は「低カロリー」や「カロリーゼロ」、「微糖」を強調した飲料に使われている。なお、ポカリスエットのカロリーオフタイプ、ポカリスエットイオンウォーター(大塚製薬)にはスクラロースが含まれているので、アクエリアスと同様に避けたほうが無難だ。