『至高の音楽 クラシック 永遠の名曲』(PHP研究所)
最近は小説家というより、度重なる放言でネトウヨ論客のイメージが強い百田尚樹センセイだが、先日、久しぶりにベストセラー小説家の顔をひっさげてテレビに登場した。番組はあの『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)。「スマ進ハイスクール」というコーナーで、小説の書き方をSMAPメンバーに指導する先生役に抜擢されたのである。
もっとも、センセイの放言ぶりはあいかわらずで、「小説家より放送作家のほうが儲かる」といきなり金の話をもちだしたかと思うと、返す刀で「出版社の社員、年収1000万円くらいあるねん。ほんま腹立つわ!」とクライアントである出版業界の高給与をばっさり。さらに、SMAPメンバーからノンフィクションについて問われると、こんな答えを返したのだった。
「ノンフィクション作家は、うまいことウソ入れる。わたしも、ノンフィクション書くとき、平気でいっぱいウソ入れてます。ほんまにそのまま書いたら、おもろない」
ノンフィクションにウソ? 従軍慰安婦や南京大虐殺についても発言している百田センセイがそんなこといって大丈夫か、と心配になったが、まあ、最近はあまりの暴言連発にみんな麻痺してきているので、きっと大丈夫だろう。そんなことよりも興味深かったのが、本題の小説の書き方レッスンのほうだ。
レッスンは、センセイが書き下ろした小説の冒頭部分があって、続きをSMAPメンバーが書いて小説にしていくという形だったのだが、その書き下ろしの冒頭部分というのが「ふと目覚めた俺は目の前の光景に驚いた。俺が世界で一番愛する女が男とキスを交わしているではないか。」というベタベタなもの。
いったいどうなるのかと興味津々で見ていると、意外にも、メンバーはみんなガチでこのレッスンに取り組み、立派に「小説」に仕上げてきたのである。