〈世の中には、妻にうまく風俗テクニックを伝授している夫たちがいる。(中略)「ダンナは独身時代に、イメクラとかいうコスプレ風俗にハマっていました。ある日、マンネリ克服にはまず衣装から、と言ってナース服を買ってきたんです。ショーツ一枚にナース服を羽織って診察してほしいというので、胸や脇腹を「触診」した後に、乳首を唇と舌でなめてあげたんです」(14年6月7日号)
こんなに素直で勉強熱心な奥さんが、本当にこの世に存在するのかという疑問がよぎるものの、「夫婦のセックスレス解消」というテーマは、若い女性相手の不倫とはまたちがった好奇心を男性にもたらしているようで、他にも、風俗で体験した絶品のフェラチオテクニックを妻に覚えさる、女性向けAVを見せて「喘ぎのテクニック」を学ばせるといった企画が大きな反響を呼んだという。
とまあ、方向性はどうあれ、老齢にさしかかった団塊世代の男性に大好評のセックス特集。しかし、相手である奥さんにはあまり評判がよくないようだ。
若いコとのセックスをあおる「週刊ポスト」の記事が「いい年してみっともない」「記事を読んで旦那が性犯罪に走らないか心配」といった批判を受けているのはもちろんだが、妻とのセックスレス解消を奨励している「現代」の記事にも苦情の声が上がっているという。
「こっちはとっくに性欲がなくなっているのに、記事のおかげで、セックスを強要され、苦痛でしようがない」「年をとってまで夫の性のはけ口になるのはまっぴら」
シニアセックスに盛り上がる男性たちに冷ややかな視線を投げかける女性たち。結局、男の性は最後までひとりよがりということなのだろうか。
(岡崎留美子)
最終更新:2014.08.22 05:41