日枝氏と政治家との癒着は安倍元首相だけではない。日枝氏は鈴木俊一元東京都知事、石原慎太郎元東京都知事、森喜朗元首相、小渕恵三元首相、加藤六月元農水相など、さまざまな大物政治家に取り入り、お台場移転、ライブドア問題など、フジテレビが抱える問題の解決や新たなビジネスに利用していた。
そして、こうした見返りに、自分と親しい政治家の子弟や縁戚を次々とフジテレビに入社させていた。安倍元首相の甥で、現衆院議員の岸信千世を第二次安倍政権発足翌々年に入社させていたのは有名だが、ほかにも、森元首相の孫娘、中曽根康弘元首相の孫、故・中川昭一元財務相の娘、さらには安倍元首相の側近だった加藤勝信財務相の娘もまたフジテレビに入社している
こうした実態を見ていると、フジテレビは日枝氏によって、自民党寄りのメディアどころか、一部の政治家と一体化した利権集団と化してしまったといってもいいだろう。
また、日枝氏にはそのフジサンケイグループ支配の過程や資産形成についても、さまざまな疑惑がささやかれている。
日枝氏は88年、オーナージュニアの鹿内春雄氏急逝のあと、社長になると、グループオーナー鹿内信隆氏の死去後、92年、グループを継いだ鹿内家の娘婿・宏明氏をクーデターによって解任し、フジテレビを上場させた。その過程でフジの株を取得し、現在は23万株、評価額4億円以上の株を所有している。
しかも、フジの株式上場の前年、杉並区の500平米超の土地に資産価値5億円以上とも言われる豪邸をつくり、さらに3億円以上のマンションを所有している。一介のサラリーマン社長がこうした巨額の株や不動産を購入できたのはなぜなのか。このまま日枝氏の無責任逃亡を許せば、こうした疑惑もそのまま闇に葬られることになる。
しかも、懸念されるのは、今回の人事で本当にフジテレビにおける日枝院政はなくなるのか、という問題だ。取締役やフジサンケイグループ代表という肩書きはなくなるものの、前述したように、日枝氏はいまなおフジテレビの大株主なのである。
今後の日枝氏の院政を阻止し、フジのメディアとしての健全化をはかるためにも、第三者委員会の調査報告書公表で事態を終わらせず、こうした日枝氏の罪や責任を徹底追及する必要があるだろう。
(編集部)
最終更新:2025.04.01 10:17