自民党HPより
裏金事件で批判を浴びている自民党だが、そこに自民党青年局による「不適切懇親会」問題が浮上し、不信感に追い打ちをかけている。
問題となっているのは、昨年11月に和歌山市内のホテルで開催された自民党青年局・近畿ブロックの会議。この会議には青年局の国会議員や多くの地方議員らが出席していたが、会議後に開かれた懇親会において複数の女性ダンサーが2度にわたって登場。2度目の登場では下着のような露出度の高い衣装で、なかには参加者が口移しでチップを渡したり、女性ダンサーの衣装に紙を挟み込んで尻を触るなどの場面があったとされている。
この問題が報じられるやいなや、会に参加していた藤原崇・衆院議員と中曽根康隆・衆院議員が党青年局の役職を辞職。懇親会を主催した自民党和歌山県連の青年局長で、女性ダンサーを招いた理由を「多様性の重要性を問題提起しようと思った」と語って非難を浴びている川畑哲哉・和歌山県議も離党届を提出した。ちなみに川畑県議は、世耕弘成・前参院幹事長の秘書を9年間務めていた人物だ。
だが、役職を離れたり離党すれば済むという問題ではない。懇談会の費用は党本部や県連が支出したというが、税金を原資とする政党助成金がここに流れている可能性もある。裏金事件では「政治にはカネがかかるもの」などとほざく議員もいるが、その実態がこれか、と言いたくもなる。
さらに、自民党若手議員のホープと呼ばれているという藤原衆院議員は、「ダンサーの体を触ったりとかはなかったか」と聞かれた際、「そういうことをした記憶はない」「当時の記憶のなかでは触ってない」などと回答。「触っていない」と断言できないのは、一体どういうことなのだろうか。
ダンサーの尻を触ることを「多様性」と言い張り、その異常な状況を誰も咎めないホモソーシャル集団……。自民党政権下で選択的夫婦別姓の導入や差別是正などといった女性政策がまったく進まないのは、当然というべきだろう。
実際、今回の問題にかぎらず、自民党議員をめぐるハレンチ問題は過去にも、枚挙に暇がないほど発覚しているのだ。
⚫女体盛り、パンツ泥棒、買春4P…自民党のハレンチ事件簿 新・参院幹事長にも疑惑が…
呆れてものも言えない、自民党ハレンチ事件簿を振り返ってみよう。
まずは、安倍派裏金事件で参院幹事長を辞任した世耕氏に代わってその役職についた、松山政司・元一億総活躍担当相の“女体盛り”疑惑だ。
松山氏は、政界入りする前は地元・福岡で松山建設の社長を務めるとともに、1999年には日本青年会議所(JC)の会頭に就任するなど、JCのリーダーとして精力的に活動をおこなってきた人物。そんな松山氏が日本JC会頭に就く前年、福岡JC理事長だった時代に、JCメンバーが「女体盛り」というワイセツ行為に興じたのだ。
この事件を取り上げた「FLASH」(光文社)の当時の記事によると、1998年2月14・15日に旭川市で地元JCが全国のJC幹部を集めた会合を開催。問題は、その初日の夜、旭川駅前のホテル地下にある居酒屋でおこなわれた懇親会でのこと。関係者の証言はこうだ。
「一次会は普通の懇親会でした。それが終わるころ、進行役の地元JCのメンバーがこう挨拶したんです。『今日はバレンタインデーなので、旭川では女体盛りを用意しました』。すると部屋を仕切ってあったカーテンが開き、見ると、女の子が全裸で寝ていて刺身が盛ってあった」
「FLASH」にはそのときの写真も掲載されている。台の上に全裸で横たわる女性の胸部から下腹部には刺身が盛られ、その周りを顔をにやつかせたスーツ姿の男性たちが箸を片手に取り囲んでいる。記事によると、その場にいた20数名のJCメンバーが〈蜜にたかる蟻のように女体盛りに群がった〉といい、前述の関係者も「なかには刺身を股や乳首にくっつけてから食べる人もいました」と証言している。教育改革を叫ぶ彼らが、そのじつ未成年の少女を性的にモノ扱いをする──JCの本質を垣間見るような事件である。
だが、この女体盛り事件はほどなくして表沙汰に。女体盛りにされた女性は当時16歳の未成年で、補導された際にこの夜の出来事について話したことから発覚したのだ。結果、4名のJC関係者らが売春防止法違反などで逮捕された。
そして問題は、この懇親会に松山氏も参加していたのではないか、と囁かれていること。〈全国から集った33人のJC会員のうち、20数人が参加。松山氏は翌1999年に会頭に選ばれ、その選挙は20年ぶりだったことから、立候補を控える者として、その場にいた可能性があった〉(「FLASH」2024年2月1日付)からだ。日刊ゲンダイの取材では、松山氏の事務所は「当日、松山が会合のために旭川入りしていたのは事実」としながらも、懇親会の部屋にはいなかったと否定。ただし、事件当時どこにいたのかという問いには「分かりません」と回答している。