だが、暗澹たる気持ちになるのは、このような状況のなかでも萩生田氏を擁護しようとする輩が登場していることだ。
実際、きのう22日放送の『ひるおび』(TBS)では、田崎史郎氏が萩生田氏に直接電話で話をしたと言い出し、その釈明を垂れ流した。
ちなみに、最近の萩生田氏はマスコミの取材から逃げ回っており、先週末に福島県でおこなわれた復興イベントでも、直接、話を聞こうとする記者をスタッフがシャットアウト。記者が足止めされている間に萩生田氏が逃走したことを、21日放送『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ)が報じている。統一教会問題を追及するメディアからは逃げておいて、自民党応援団の田崎氏の取材にだけ答えるとは……。
しかし、もっとあ然としたのは、田崎氏が語った萩生田氏の釈明の内容だった。萩生田氏をめぐっては、統一教会に対する今後の姿勢について「適切な対応をしていきたい」などとしか語らなかったことについて、「なぜ断ち切ると言えないのか」と批判が噴出しているが、萩生田氏は田崎氏になんと、“世界平和女性連合には信者ではない人もいるため、信者ではない人まで関係を断つとは言えず「適切に対応」と言った”などと語ったという。
この田崎氏が代弁した萩生田氏の釈明に対し、『情報ライブ ミヤネ屋』に出演した有田芳生氏は「観客などには信者ではない人もいるが、中心的なメンバーは旧統一教会の信者」「世界平和女性連合は旧統一教会のフロント団体」と真っ当な批判をしていたが、萩生田の言い訳はそれ以前の問題だろう。萩生田が迫られているのは「統一教会とのいう宗教団体との関係を断つ」ことなのに、「関連団体に信者じゃない人も参加しているから、統一教会と関係を断つといえない」とは、支離滅裂。こんな小学生でも言わないような言い訳が通ると本気で思っているのか。
ところが、こんな萩生田氏のトンデモ釈明を、田崎氏はなんの批判もしないどころか、さも正当な理由であるかのように紹介したのだ。
いや、萩生田氏を擁護するのは田崎氏だけではない。元衆院議員の金子恵美氏も19日、『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(CBCテレビ)において、「私、直接(萩生田)事務所に確認をしたんですけど」と言い出し、「選挙スタッフに世界平和女性連合の方々が入っていたんだろうということだと思いますよね。元々の支援者の方で、その方々がたまたま、たまたまっていうか、女性連合の方だったってことですよね」などと、露骨に萩生田氏の代弁をしていた。
統一教会問題追及の動きを封じるような発言を連発し顰蹙を買っている太田光もだ。21日放送の『サンジャポ』では萩生田氏と統一教会との深い関係について元信者の証言などを報じていたが、上述した萩生田氏の「最近はもう壺も売っていないし」などの発言を鈴木エイト氏が紹介した際、太田は「一方の見方としては『最近はもう壺も売ってないしね』っていう意味では、萩生田さんはそこまで認識がなかったとも考えられる?」と発言。無理やりすぎる屁理屈で萩生田氏は統一教会の悪質性を知らなかったのではないかと擁護していた。
大マスコミの政治部も同様だ。たとえば、「新潮」報道の釈明をおこなった18日のぶら下がり取材が、ゆるい質問に数問答えただけで終了したことに、疑問の声が上がっていたが、実はこれ、萩生田氏サイドが、事前に親しい番記者に質問数を絞るよう要請していたのだという(日刊ゲンダイ20日付)。
また、テレビ朝日の『報道ステーション』『羽鳥慎一モーニングショー』やNHKの報道を見ていると、一頃よりは統一教会問題を報道する姿勢をみせはじめているものの、萩生田氏について徹底批判しようという姿勢はまるで感じられない。
いまは、『news23』『報道特集』『ミヤネ屋』や週刊誌などの頑張りで萩生田氏の統一教会とのズブズブ関係や弁明の嘘が次々暴かれているが、こうした癒着メディアの動向を見ていると、萩生田氏がこのまま逃げ切る可能性もゼロではない。そして、統一教会の関係は不問に付されたまま、次期総理候補として復権する──。そんなことにならないためにも、萩生田氏を辞任に追い込むまで、批判の声をあげていく必要があるだろう。
(編集部)
最終更新:2022.08.23 11:41