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NHKで河瀬直美監督「五輪を招致し喜んだのは私たち」発言に批判殺到! 番組は「五輪反対デモは金で動員」と印象操作

 それでなくてもNHKは、東京五輪開催中に新規感染者数が1万人を超えても五輪礼賛報道に終始し、夜のニュース番組も休止・短縮するという公共放送にあるまじき醜態を晒した。だが、それだけではなく、世論調査では五輪開催のために恣意的な変更までおこなった。

 実際、東京五輪の開催の是非について「開催すべき」「中止すべき」「さらに延期すべき」の3つから1つを選んでもらうかたちで調査をおこなってきたのに、昨年2月以降の世論調査では「どのような形で開催すべきだと思いますか」という質問に変わり、用意された選択肢も「これまでと同様に行う」「観客の数を制限して行う」「無観客で行う」「中止する」という4択となり、「さらに延期すべき」という選択肢をなくしたのだ。

 それだけではない。NHKは特設サイトで聖火リレーのライブ中継をおこなっていたが、昨年4月1日に長野県長野市でおこなわれた聖火リレーでは、沿道から「オリンピックに反対」「オリンピックはいらないぞ」という抗議の声があがったのに、その直後から中継の音声がなぜか切れてしまい、約30秒にわたって無音状態に。あまりにも露骨すぎるが、NHKは五輪開催に反対する市民の抗議の声を流さないよう、わざわざ音声を消したのである。

 しかも、言っておくが、先の衆院選で自民党の国光文乃議員の応援のために岸田文雄首相が駆けつけた街頭演説会において「茨城県運輸政策研究会」が日当5000円で動員をかけていた問題について、NHKは他のメディアが報じても無視を決め込み、遅れに遅れて報道した。選挙活動における現金の配布は公選法違反となる重大事であり、取材・報道すべき問題はあきらかにこちらだが、ところが、東京五輪の反対デモに対しては、証言も証拠も出さずに「反対デモは金で動員されていた」と印象づける放送をおこなったのである。悪質極まりないだけでなく、NHKも完全に権力側と一体化していると言わざるを得ないだろう。
 
 無論、NHKには今回の番組における取材の経緯や裏付けとなる証言や証拠があるのかどうかなど、説明をおこなう責任があるが、これだけネット上で問題になっているにもかかわらず、いま現在もダンマリをつづけている。

 その上、この期に及んで醜態を晒したのが、河瀨監督だ。放送自体はNHKに責任があるが、問題の男性の取材は公式記録映画のためにおこなわれたものであり、当然ながら河瀨監督にも説明責任がある。だが、河瀨監督は5日、〈めちゃくちゃ面白かった!自分達に都合が悪いとすぐBPOだの放送倫理違反だの言ってくる人たちの誹謗中傷に負けずこれからも頑張ってください〉というあるユーザーの投稿を引用リツイートし、〈はい(キラキラマーク)〉と返信。まったくその責任を感じていないようなのだ。この調子では、問題の男性の証言が公式記録映画にも使用されてしまう可能性すらあるのではないか。

 本サイトは河瀨監督の問題点を指摘した記事で、「このままでは河瀬監督による東京五輪公式記録映画は、ナチスドイツでレニ・リーフェンシュタールが監督したベルリンオリンピックの記録映画『民族の祭典』のような、国威発揚プロパガンダ作品になってしまう危険性も大いにある」と警鐘を鳴らした。だが、どうやらその懸念は的中してしまいそうである。

最終更新:2022.01.06 01:11

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