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リテラの新年特別企画◎御用ジャーナリスト大賞(前編)

コロナと五輪で悪質ぶり発揮した御用コメンテーター10位〜6位発表! いつもの顔ぶれに夏野剛、谷原章介、ブラマヨ吉田&小杉も

五輪無観客開催に「五輪に比べればクソなピアノの発表会なんかどうでもいい」「アホな国民感情」と暴言 棄民丸出しのメディア企業トップ

安倍・菅政権を通じてとんでもない政権擁護や批判封じ発言を繰り返してきた実業家・夏野剛だが、これまではあまり一般的な知名度がなかったのでこのランクには加えなかった。
しかし、2021年は「ニコニコ動画」を擁するドワンゴ代表だけでなくKADOKAWAというメディア企業のトップに立ったにもかかわらず、メディアで信じがたい暴言を吐いた。
 7月、東京五輪が無観客開催となったことについて、『ABEMA Prime』(ABEMA)でこんな言葉を吐いたのだ。
「これは、今年、選挙があるからという理由だけだと思いますよ。さっきの宇佐見さんの言っているね、公平感……そんなクソなね、ピアノの発表会なんか、どうでもいいでしょう、五輪に比べれば。それを一緒にする、アホな国民感情に、やっぱり今年、選挙があるから乗らざるを得ないんですよ」
「だから、Jリーグだってプロ野球だって入れてるんだから。五輪を無観客にしなければいけないのは、やっぱり、あおりがあるし、選挙があるから……そこに対して国民感情を刺激するのは良くないという、ポリティカルな判断に尽きると思います」
反対世論が危惧していたとおり、その後、五輪開催によって感染爆発と医療崩壊が引き起こされたことを考えれば「アホ」なのは一体どちらなのかという話だが、夏野氏は組織委参与をはじめ東京オリパラでいくつかの役職を担っているのに加え、代表取締役社長を務めるKADOKAWAはオフィシャルサポーターとなっており、公式ガイドブックやプログラム、競技図鑑などを出版。こうした利権を死守したいのと、選挙のために五輪を強行したい菅政権の意向を汲むことでさらなる利権にありつこうと考えているだけなのはミエミエだった。ようするに、「自分のカネのために、アホな国民は黙っていろ」と言い放ったわけだ。
しかも、当然ながらこの暴言には多くの批判が集まったため夏野氏は謝罪に追い込まれたが、KADOKAWAの役員報酬を一部返納しただけ。謝罪ツイートでは「アホとかクソという言葉を使ったのは、番組の雰囲気に甘えた」などと番組の雰囲気のせいにしており、まったく反省などしていないのは明らかだった。
実際、夏野がこうした大衆蔑視を口にしたのははじめてのことではない。たとえば2020年8月には当時の安倍首相がコロナ下での仕事ぶりを批判する声に対して、「『一般ピープル』の目線で見るのは大間違い」「この批判をしている奴は一回、選挙権を返上しろ」などと大暴言。また2013年1月には〈税金払ってないくせに格差を問題視する若者、将来に希望なし〉とツイートし、税金を払っていない者は格差に異を唱える資格はないと切って捨てたこともある。ようするに今回の「クソなピアノの発表会」発言は、まさに夏野氏の大衆蔑視を象徴する発言なのだ。
竹中平蔵と同様に、平然と一般市民を見下した特権意識丸出しの暴言を吐き続ける夏野氏。だが、問題なのは、このような新自由主義者の象徴的人物を、「新自由主義的な政策を転換する」と言って首相の座に就いた岸田首相が重用していることだ。
 実際、夏野氏は安倍政権の露骨なヨイショを繰り返した結果、安倍政権下の2019年に「規制改革推進会議」のメンバー入りを果たし、菅政権では同会議の新しい議長に選任。そして、岸田政権でも岸田首相が会長を務める「デジタル臨時行政調査会」の有識者メンバーとなったのだ。
 メディア企業のトップでありながら権力監視という役割を放棄した上、「アホな国民感情」「ピアノの発表会なんてどうでもいい」などと暴言を吐く人物が政権にありがたがられる──。岸田政権のもと、今年もこの男が棄民思想を剥き出しにすることは間違いなさそうだ。
後編へ続く

最終更新:2022.01.03 09:30

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