さらにひどかったのは、オリパラの感染防止対策についてテーマになったときの議論だ。五輪メダリストであり、2016年東京五輪招致の際アンバサダーも務めた有森裕子氏は、「こっちは『(医療が)逼迫して大変』と困っているのに、なぜこっちは『(医療体制を)確保している』と言えちゃうの?という。これが(ニュースとして)一緒に流れたときに、この矛盾をどう理解すればいいか、国民の不安は拭えない。情報の提供をすればいいと思うんですけど」と指摘すると、組織委の中村氏はこう述べたのだ。
「大会のときに医療どうしていくか、コロナ含めてどうしていくかという青写真は、我々つくっておりますけども、ただそれはいま、緊急事態宣言がようやく解除されることになってますけども、厳しいなかでいくら8月こんな状態ですねと突き合わせても混乱するだけのところがありまして。まさにオリンピック・パラリンピックのときに協力していただける病院自体が、もうちょっと状態がよくなったときに我々の青写真をお示しして、これができる、あれができるということをきちんと相談した上でないと、逆に一方的にお示ししても混乱するだけだと思っています」
「青写真は出来ているがいま発表しても混乱するだけ」って、そんなもの、いつまで経っても発表することなどできないだろう。なのに「青写真はあるから安心して」とは、国民をバカにしすぎだ。
しかも、組織委のこの無責任な態度には“身内”からも批判が飛び出した。組織委理事でもある渡辺IOC委員も、「安全安心は確保できるのかっていうのをとにかく出してもらわないと」「あと何カ月しかないのに『これからコミュニケーションやりますよ』っていう次元じゃない」「前提がいつまで経っても出てこない」「何にも出てこない」と苦言を呈したからだ。
生放送でIOC委員から組織委にぶち込まれた非難には、真山氏も「大丈夫か」と苦笑していたが、このやりとりをみても、4カ月後に東京オリパラを開催するなど不可能なのではないか。
しかし、この番組のハイライトは、なんといっても「オリパラ開催の意義」について討論したパートだろう。ここでロス五輪女子マラソン日本代表で、五輪関連イベントに頻繁に登場してオリパラ応援団となってきた増田明美氏が、信じられないような暴言を連発したからだ。