だが、問題はこれだけでは終わらない。たとえば音喜多駿・参院議員は、2020年10月分の文通費の使途報告書では10月31日に58万6590円を自身が代表の資金管理団体「音喜多駿後援会」に寄付しているが、一方、「音喜多駿後援会」の政治資金収支報告書を見ると、10月31日の音喜多氏自身からの寄付は41万3590円となっており、寄付されたはずの17万3000円が消えているのだ。
無論、実際には寄付していながら収支報告書に記載していないのならば、政治資金規正法違反の不記載に当たる可能性がある。ちなみに、維新の副代表である吉村洋文・大阪府知事は2019年に〈収支報告書は「虚偽」記載だけでなく、「不記載」の場合も犯罪。不記載が故意(わざと)の場合だけでなく、重過失(わざとでないが重大な注意ミス)の場合も犯罪。5年以下の禁錮、100万円以下の罰金。公民権停止〉とツイートしている。
しかも、こうした維新議員による文通費の不適切な使用や収支報告書への不記載疑惑は、氷山の一角にすぎないだろう。というのも、維新の総本山である大阪府に届け出られた2020年分の政治資金収支報告書はまだ公開されていないため、維新所属の国会議員が文通費を政治団体に横流しした先の使途が現段階ではわかっていないからだ。
橋下氏は「セルフ領収書」を批判しながらも〈他党と比べて文通費の扱いがもっともましなのが維新国会議員団〉などと強調しているが、実際には新興宗教団体への講習会費や飲み食い代、維新の地方支部・議員への会費・寄付に流れ、さらには不記載疑惑まで出ているというのが実態だ。そもそも、吉村知事がいまだに100万円の使途を公開せず、橋下氏もその問題にはダンマリを決め込んでいる時点でお察しだが、これこそがまさに“維新しぐさ”“維新クオリティ”なのである。
(編集部)
最終更新:2021.11.27 09:19