無論、こうした対コロナの無能ぶり、危機感のなさは、岸田文雄首相(広島1区)にもすでに引き継がれている。その最たる例が、医療費を削減するために公立・公的病院の統廃合を進めて急性期の病床数を20万床減らすという「地域医療構想」なる制度の継続だ。安倍政権ではコロナによって病床不足が叫ばれている最中にも病床を削減した病院に補助金を付け、菅政権ではその補助金の財源を全額消費税で賄うための法改正まで強行した。
今回の選挙では立憲民主党が選挙公約で「地域医療構想」の抜本的な見直しを、日本共産党は切り捨てられつづけてきた医療と公衆衛生を再生させるために予算を2倍にすることを打ち出しているが、一方、岸田首相はこの「地域医療構想」なる病床削減政策を撤回していない。ようするに、あれほど病床不足が叫ばれてきたというのに、安倍・菅路線を引き継ぐ、というのである。
救うことができたかもしれない多くの命が失われ、生活困窮者の支援や医療提供・検査体制の拡充に使われるべき税金が電通などの大企業によって中抜きされ、首相をはじめとする閣僚が国民をバカにしたような言動を繰り返し、いまだに誰でも無料ですぐに検査が受けられないばかりか、今後も病床を削ろうとする。これが安倍・菅政権のコロナ対応、そして岸田政権に引き継がれるものなのだ。
現在は国内の感染者数が減少したために関心が薄れているが、第6波が来たとき、自民党政権がつづくかぎりは国民の命と健康、生活はまたも捨て置かれることになる。事実上の「安倍・菅政権の延長」を望むのか、31日に審判を下さなくてはならない。
(編集部)
最終更新:2021.10.29 05:51