とりネット/鳥取県公式サイトより
新型コロナウイルスの変異株の猛威が全国に広がり五輪中止論も高まるなか、強行され続けている聖火リレー。芸能人ランナーの辞退も続出し、公道でのリレーを中止する自治体も相次いでいる。
そんななか、鳥取県の平井伸治知事が、聖火リレーをめぐる組織委員会と大手芸能事務所の横暴を暴露した。
鳥取県といえば、徹底した検査と隔離で感染拡大を全国最小レベルに抑制してきた自治体。その鳥取県では5月21日、22日と聖火リレーが行われたが、ガンバレルーヤのまひる、イモトアヤコ、マラソン銀メダリストの森下浩一氏などの著名人ランナーが辞退していた。
この辞退のうち、まひるをめぐっては組織委員会が、イモトアヤコをめぐっては所属事務所であるワタナベエンターテインメント(以下、ナベプロ)が、鳥取県に対して、圧力と取られかねない理不尽きわまりない対応をしていたのだ。
まひるは、聖火リレー最大のオフィシャルスポンサーであるコカコーラ「い・ろ・は・す」ブランド枠ランナーとして、出身地でもある鳥取県内を走ることが発表されたのだが、組織委はメディア向けにまひるが「公道を走る」とした資料をリリースした。
しかし、鳥取県は、人だかりを作らないために著名人は公道を避けるよう組織委に要請し、まひるは大規模店舗の駐車場の一角で観客を制限して行うことになっており、この情報は間違いだった。県側は、組織委に対して即座に訂正を求めたが、組織委は訂正を拒否。「機会を見て新しい情報として出す」としていたが訂正しないまま放置。しかもリレー直前の5月18日になって、組織委は県側から正しい情報を出すよう求めてきたのだという
情報が錯綜するなか、同日まひるは自身のインスタグラムで、〈人がいない場所を走るとお聞きしていたのですが、一部で私が公道を走ると誤解されるような報道があった〉ことから地元に迷惑をかけるのではないかと不安を覚えたとして辞退を表明。こうした経緯について、平井知事は「本来は組織委やスポンサー企業がやるべきこと」「私たちに尻ぬぐいをさせようとした」と怒りを滲ませた。
当初訂正を拒否したところを見ると、組織委が「まひるが公道を走る」と公表したのも、単なる間違いでなく、公道で走ることをゴリ押ししようとしていたのではないかとさえ思えてくる。