本サイトでは何度も指摘してきたが、山谷氏は「性教育は結婚後に」とトンデモ発言をおこない、有村氏は人工妊娠中絶にも反対。高市氏は最高裁で婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法規定を違憲とする判決が出た際、「ものすごく悔しい」と発言するなど、夫婦別姓のみならず、女性の権利や自立、社会進出を阻む発言を繰り返してきた。つまり、自民党の極右議員集団は自分たちの主張を展開させるのに「当事者」として女性議員を矢面に立たせ、そのご褒美として安倍前首相は「女性の活用」として大臣に引き立ててきたのである。
こうした極右政党が政権与党としてつづいている結果、この国では世界経済フォーラムによるジェンダーギャップ指数で156カ国中120位と男女格差の解消が進まず、森喜朗・前東京五輪組織委会長の発言をはじめ女性差別発言がまかり通るような状況がまったく改善されていない。そして今回、政権与党の議員から性的マイノリティに対する明確な差別発言がまたしても飛び出してしまったのだ。
もちろん、今回の差別発言には批判があがり、発言の撤回と謝罪を求めるネット署名も開始。本日21日18時現在、すでに5万人を超える賛同が集まっている。だが、謝罪・撤回は当然のこととして、あらためて問い直すべきは、自民党は「差別肯定政党」であるということ、その差別肯定政党が政権与党であるという事実が、多くの人びとを差別に晒しつづけているということだ。「差別は断じて許されない」という大前提を認めようともしない政党をこれからものさばらしていていいのか。今秋までにおこなわれる衆院解散総選挙においても、これは大きな争点であるはずだ。
(田岡 尼)
最終更新:2021.05.21 07:11