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神社本庁の不正土地取引で東京地裁が最高幹部の「背任」の“真実相当性”を認定! 雑誌「皇室」、自販機利権など神社本庁は疑惑だらけ

 しかも、この不動産取引をめぐっては、極めて不可解な事実と、きな臭い関係性が浮上した。
疑惑の中枢は、神社本庁の不動産を転売してその差額約3000万円を儲けたとみられるディンプル社の存在だ。

 実は、神社本庁の内規では、「やむを得ない事情」により基本財産を売却する際、原則として3者以上の競争入札に付す必要があるなど、厳しい制約がある。ところが、問題の宿舎は入札にかけられず、ディンプル社に随意契約で売却され、買値を大きく上回る額で即日転売されていたのである。

 また、ディンプル社は過去に神社本庁の別の不動産取引にも関わっており、その際もやはり即日転売で儲けを出していたという情報もあった。

 どう見ても、神社本庁関係者と組んで転売ビジネスをやっていたとしか思えないのだが、調べていくと、案の定、本庁幹部との特別な関係が浮かび上がってきた。

 ディンプル社は新宿の小さな会社で、社長の高橋恒雄氏は、「日本メディア・ミックス」(以下、メディアミックス社)という別会社も経営しており、2社は同じマンションの一室に同居している。メディアミックス社は、神社本庁の外郭団体「日本文化興隆財団」が手がける季刊誌「皇室 Our Imperial Family」の定期購読などを担当。その手数料などで利益を上げていた。

 つまり、神社本庁の不動産取引の中抜きで3000万円の利益を上げた会社は、神社本庁の外郭団体が仕切っている雑誌の販売を請け負っている会社と事実上、一体だったというわけだ。

 さらに調べていくと、この2社の社長である高橋氏は“神社界の大物”と20年来の付き合いがある昵懇の仲であったことがわかった。

 その大物とは、今回の判決文で、神社本庁のトップ・田中恆清総長とともに“背任を行ったと信じる相当の理由があった”とされた、神道政治連盟会長の打田文博氏だった。打田会長は、閣僚や官邸幹部、自民党幹部なとどとも直接面会を重ねており、神社界と政界をつなげるキーマンの一人と目されている人物。現在は本庁の役職に就いていないが、前述の日本文化興隆財団の理事のひとりであり、か つて同財団が所有する渋谷の土地を売却し、ディンプル社を通じて代々木にビルを購入した際にも財団側から関わっていたとされる。

 また、打田氏は「神社本庁総長・田中総長と“一心同体”」「本庁内で多大な影響力を持つ、事実上の2トップ」(神社関係者)といわれているのだが、その田中総長は2010年の就任以降、2期6年で退任するのが通例であるところを異例の4期目に入るなど、長らく実権を握ってきた存在。

 こうしたことから、今回の安値売却も神社本庁の幹部がかかわった意図的な背任行為であり、ディンプル社に流れた巨額の金の一部が、還流しているのではないかという見方が浮上してきたのだ。

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