産経は「グラミー賞 BTS受賞逃す 小川慶太さんが受賞「スナーキー・パピー」」というタイトルで、小川氏が参加するバンドの受賞を前半で紹介、後半でBTSについて触れるという構成で、産経らしくネトウヨ感性に寄り添ったような記事を出していたが、それでもこう噛みついていたのだ。
〈何で韓国アーティストが日本のアーティストの如く報道されるのかわからん〉
〈日本人受賞だけ書いておけばいいと思います。
受賞を逃したのが日本人なら別ですが、
他国の人やグループまでいちいち取り上げる必要なし。〉
〈どうするとBTSが取れなかったことが見出になるのか謎。マスコミ総出でやってて呆れる。〉
ほかにも、「BTS受賞なるか」「BTS受賞逃す」というニュースを報じたワイドショーをはじめ、新聞やテレビ報道への非難の声も相次いだ。
こうした非難が巻き起こっているのは、BTSが韓国のグループだからなのは言うまでもない。たとえばアメリカやヨーロッパのアーティストが受賞した、あるいは受賞を逃したことを知らせるニュースであれば、ここまで非難は湧いていないはずだ。
韓国に対して差別むき出しのヘイトだけでなく、差別や憎悪をさまざまなかたちにコーティングさせた攻撃が見られるが、「韓国芸能人をニュースにするな」というのはその典型と言っていいだろう。
しかも、今回の炎上ではもうひとつ気になったことがある。それは、韓国ヘイトが転じたこのグラミー賞報道攻撃では、同時にそれを正当化するように「日本人の受賞を大々的に報じるべき」という意見が広く語られていたことだ。