毎日新聞攻撃を扇動した橋下徹Twitter
都構想の住民投票が否決を受けたというのに、維新の連中はまったく反省がないらしい。松井一郎大阪市長は否決の結果を受けた会見で「政治家冥利に尽きる」と発言。「2回も住民投票をし、100億もの血税をつぎこんでおいてに何を言っているのか」「お前の政治家冥利のために大阪市民をこんなことに巻き込んだのか」とツッコミの声が多数上がった。
しかし、松井市長以上に呆れたのが、橋下徹・元大阪市長だ。橋下氏は周知のとおり都構想、維新の生みの親。もう政治とは関係ないといいながら、今回もツイッターで都構想を後押しする発言を連発してきた。そして、住民投票の結果が出ると、今度はテレビでこの否決についてしたり顔で解説をはじめたのだが、これがまあ、自己正当化と暴論の嵐だったのだ。
その典型が、一夜明けた11月2日、この秋から月曜レギュラーコメンテーターをつとめる『グッとラック!』(TBS)での発言だった。
MCの立川志らくから、高齢者だけでなく若い世代でも反対が多かったことを問われると、橋下はこう語り始めたのだ。
「裏を返すと、(大阪の政治が)どんどんどんどん良くなってきたもんだから(略)。僕のときは、若い世代が圧倒的に変化を求めた。僕のときには、府と市の対立を解消してほしい、変化してほしい、変化させてほしいという声が、若い世代に多かったんだけど、大阪都構想の政治運動をやることによって、二重行政が解消しながら、実は若い世代がいまのまんまでいいやんかって思ってしまった。ここがある意味ジレンマというか。僕都構想運動やってて、ある意味矛盾というか、そういうことを感じながらも、大阪都構想運動を10年間やってきて、若い世代がこのままでいいやんかと思ってくれたことは、ある意味政治としては成功したのかなというふうに、自分なりに納得しています」
その後も「今回、若い人たちが20代の人たちが仮にいまのままでいいって言ったんであれば、僕はそれはうれしいですよ」「10年間維新の政治をやって、若い世代がそれでいいって言ってくれたんだったら。普通だったらね、若い世代が希望も持てず、高齢者のことばかり聞くような政治変えてくれっていうような声になるはずなのに、20代の人たちがいまのまんまでいいんじゃないかって言ってるってことは、言ってるってことは、ちょっと負け惜しみかもわかんないですけど、僕が10年前に大阪府知事になってからの10年間、こういう大阪にしたかったというところで、僕は納得しています」などと、繰り返した。
自分たちの掲げてきた最大の政治スローガンが若い世代からもNOをつきつけられたというのに、なお「若い人がそのままでいいやんかと思ってくれた」「政治が成功した証拠」と言い張るとは、なんという我田引水・自画自賛。この元府知事・市長は自分が保健行政や医療福祉を削減したことが、大阪のコロナ対応を遅らせ、医療体制を逼迫させ、他都道府県以上の深刻な犠牲者を出したことを完全になかったことにしてしまっているらしい。
しかも、橋下氏は若い世代が都構想反対に回ったことを自分の政治の手柄にしながら、まったく矛盾したトンデモ主張も口にしていた。それは、ロンブー田村淳がこんな周回遅れの“シルバーデモクラシー批判”をしたときのことだ。
「前回の大阪都構想否決のときにも、年代によって、若い人は改革を求める、年配の方々は現状維持を求めたわけですけど。そのときに、やっぱ疑問に思ったのは、年代による人口比率、拮抗しているときの選挙が終わって、1万7千票差でしたって言われたときに、やっぱり僕腑に落ちないのは、そりゃ、60代、70代の人の人口が多いんだから」