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菅官房長官がテレビ討論でもポンコツ露呈!『news23』では失言に加え放送事故寸前の質問、『報ステ』では徳永有美に陰険クレーム

 もはや討論にすらならない討論会……。しかし、テレビ討論会で菅官房長官が露呈したのはたんにトークがポンコツ、ということだけではない。同時に、「安倍首相の継承者」らしいインチキやスリカエ、さらには恫喝で批判を封じ込める陰湿な素顔も垣間見せた。

 たとえば『報ステ』では、“アベノミクスは格差を広げたのではないか”という問いが立てられ、「格差についてどう向き合うのか」と質問されたのだが、菅官房長官は口を開くと、こう述べた。

「あのー、私、やはり大事なのはですね、雇用じゃないでしょうか」

 格差の質問をされているのに、なぜか「雇用が大事」と言い出す。お得意のいつものはぐらかしだが、司会者が「雇用……」と言うと、こうつづけた。

「働く場所を確保することがまず基本だと思いますよ。それまでは全国で有効求人倍率1を超えたのはたった8つの県しかなかったんです。アベノミクスによって、すべての県で1倍を超えています。正社員の報酬も1倍を超えていたんです。いまこのコロナで非常に厳しくなってますけど、それまではやはり評価できる水準だったんではないでしょうか」

「で、格差はどうなの?」と言いたくなるが、その点についてはまるで答えない菅官房長官。しかも、この雇用が増えたという主張は、格差の問題とはまったく関係ない。実際、石破氏は菅官房長官の主張に対し「雇用は改善した。それは高齢者でしょ、女性でしょ、所得の低い人たちでしょ」「正規と非正規って給与以外のフリンジ・ベネフィットと言いますよね。そういうもの足すと倍半分ぐらい違うわけですよ。そして大企業と中小企業、格差はありませんか」「これが『拡大している』と言わないでどうするんだ」と間接的にツッコんだのだが、そのとおりだ。

 さらに、番組側も「75%が非正規、実質賃金は4.4%も減少」という数字を突きつけたのだが、しかし、菅官房長官はとんでもないことを言い出したのだ。

「あの、申し上げましたけれども、生活保護所帯も、これが減ってきていますから。いままでずっと右肩上がりだったんです。この政権、アベノミクス、私どもやりはじめてから減りはじめたということは、ここは現実ですよ。そういう数字が出てます」

 まったく詭弁も甚だしい。たしかに生活保護を受けている世帯数は、最新の「被保護者調査」(平成 30年度確定値)では、2018年度の被保護世帯数(1カ月平均)が163万7422世帯で2017年度より減少しているが、その差はわずか3432世帯で微減にすぎない。しかも、安倍政権下では2018年度を除いてはずっと右肩上がりの増加傾向が続いていた。さらに、受給者数(被保護実人員)は2015年3月をピークに減少に転じているが、それは安倍政権が2013年から生活保護基準を引き下げ、そのことで生活保護の対象範囲が狭まったせいだ。しかも、本来ならば生活保護を利用すべき世帯のうち実際に利用している世帯の割合(捕捉率)は2〜3割程度にすぎず、単純に生活保護受給者数を見て「生活が苦しい人の数は減った」「格差がなくなった」などとは到底言えるようなものではけっしてないのだ。

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