「危機のときに新しいことをやろうとすることにはリスクが伴う」って、アベノマスク追加配布のどこが「新しいこと」なのか? 国民が怒っているのは、多くの国民、介護や保育の現場からも大不評を買ったアベノマスクを、さんざん批判を浴びたあとに、見直すこともせず、あり得ない枚数をあらためて発注し、追加配布しようとしていたことなのだ。それをあたかも、「新しいチャレンジ」であったかのように持ち上げるとは、政権ヨイショにもほどがあるだろう。
さらに最大の問題は、このアベノマスク問題を「総理アジェンダにしなければ、忘れた頃に届いてニュースにもならなかったのに」と政権側のメディア対策的な失敗に矮小化してしまったことだ。そこには、求められてもいない効果のない代物に507億もの税金を投入してつくらせたこと、そして、批判を受けても無謬性にこだわり、方針転換をしなかったことへの批判的視点は皆無なのだ。
もちろんだからこそ、安倍政権は経済のどシロウトである三浦氏をコロナ後の新たな成長戦略を話し合う首相の諮問機関「未来投資会議」に入れたのだろう。アベノマスクやGoToキャンペーンのようなトンデモない税金の使い方をしても、三浦センセイなら「中高年男性中心の政権が、がんばってるんだから」と後押ししてくれるはず、そう考えたはずだ。
そして、実際、そうなる可能性は非常に高い。そもそも本サイトが繰り返し指摘しているように、三浦瑠麗という国際政治学者の発言をきちんと検証すると、ほとんどは聞きかじりの情報を適当に並べているだけで、たいした中身はない。その場その場の空気を読んで、マウントをとるテクニックに長けているため、何かもっともらしいことを語っているように見えているだけだ。
きっと、この未来投資会議でも三浦センセイは何かを語っているように見せながら、大勢の流れに沿って、政権のトンデモ政策を後押ししていくのだろう。やれやれ、と言うしかない。
(編集部)
最終更新:2020.08.02 12:46