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警察による「夜の街」立入検査は違法だ! 安倍政権と小池都知事が「夜の街」叩きでごまかしているうちに医療と保健所が崩壊寸前

左・菅官房長官(首相官邸HP)/右・小池百合子オフィシャルサイト


 昨日24日、国内の新規感染者が981人と過去最多を更新し、なかでも東京都では366人と初の300人超えを記録した。全国の都市部を中心に市中感染が広がっていることはもちろん、高齢者の感染も増えてきており、今後、重症者が増加していくことが予想される。

 医療体制の整備や感染防止対策を放り出して経済活動を優先させた結果、最悪の事態に向け拡大している感染状況──。しかし、安倍政権や小池百合子都知事は、自分たちの失策を棚に上げて、この期に及んでも「夜の街」叩きで国民の目を欺こうとしている。

 というのも、東京都は本日24日から警視庁と連携し、「夜の街」へ立ち入り検査をおこなうというのである。

 警察を動員した立ち入り検査について口火を切ったのは、菅義偉官房長官だ。菅官房長官は19日に出演した『日曜報道THE PRIME』(フジテレビ)で、「コロナの根源がどこにあるかがわかってきた」などと言い、「ホストクラブやキャバクラには風営法で立ち入りできる。思い切ってやっていく必要がある」と発言。そして、小池都知事も22日、斉藤実警視総監と面会した後の会見で、「警視庁と都庁が連携し、風ぞく営業の店に対して感染予防策の徹底を図る」と宣言したのである。

 前述したように、昨日東京都では新規感染者数が300人をはじめて超えたが、昨日の感染者数には「夜の街」の集団検査の影響はなかったと小池都知事自身が明言している。しかも、新規感染者の感染経路がわかっている人のうち「夜の街」関連が47人だったのに対し、家庭内感染が34人、会食が23人、職場内が14人、施設内が11人と、「夜の街」以外のほうが数字は大きくなっている。そもそも、感染経路不明者は225人と全体の約6割にものぼっているのだ。

 にもかかわらず、いまだに菅官房長官は「夜の街」を「コロナの根源」などと呼び、小池都知事も歩調を合わせ「夜の街」への立ち入り検査を実行することで“しっかり対策を打っている”という演出をしようというのである。

 しかも、菅官房長官が言い出した立ち入り検査の最大の問題は、警察が立ち入ることに法的根拠がまったくない、ということだ。

 菅官房長官は「ホストクラブやキャバクラには風営法で立ち入りできる」などと言い張っているが、これはとんでもない大嘘。警察は風ぞく店やホストクラブ、キャバクラなどを指導・監督する立場にはあるが、それは風営法の第一条が定める「善良の風ぞくと清浄な風ぞく環境の保持」「少年の健全な育成に障害を及ぼす行為の防止」が目的であって、感染症対策はそこに含まれていないからだ。

 さらに、警視庁が公開している風営法の「解釈運用基準」には、〈立入り等の限界〉として、こう定めている。

〈立入り等の行使は、法の施行に必要な限度で行い得るものであり、行政上の 指導、監督のため必要な場合に、法の目的の範囲内で必要最小限度で行わなければならない。したがって、犯罪捜査の目的や他の行政目的のために行うことはできない。例えば、経営状態の把握のために会計帳簿や経理書類等の提出を求めたり、保健衛生上の見地から調理場の検査を行うこと等は、認められない。〉

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