実際、『テラスハウス』シリーズをめぐっては、過去にも「演出」「やらせ」が取り沙汰されたことが何度もある。
まず最初に『テラスハウス』のやらせ疑惑を報じたのは、2014年3月18日号の「FLASH」(光文社)。ギャラは月に30~40万円で、スタッフの意向を受けて告白したりキスしたりした際にはそれぞれ手当として5〜10万円が支給されているという内容だった。つづいて同じ2014年の5月には「週刊文春」(文藝春秋)が、「現場に複数いるスタッフの振り付けにより展開が決まる」とし、さらには過去の出演者であるグラビアアイドルの筧美和子がスタッフから「バストを鷲掴み」されるなどのセクハラ行為も受けていたと伝えた。
出演者自身が実名で「やらせ」を告白したこともある。2015年に公開された映画『テラスハウス クロージング・ドア』にも出演していたOL兼グラビアアイドルの松川佑依子が、2015年12月にブログでグラビア引退の理由を明かすのだが、そこで『テラスハウス』撮影中のセクハラ被害とやらせを示唆する告白をし、大きな注目を集めた。
〈ちょっと暗いのだけど(笑)酷いことされて実家に帰って家から出れなくなった時期があったのね。会社も行けなくて。去年の今頃かな。でも撮影しなきゃみんなに迷惑かかるから行かなきゃって思って。〉
「去年の今頃」というのは、ちょうど劇場版『テラスハウス』の撮影時期と重なる。実際、松川の2014年のブログを見ると、12月24日に〈テラスハウスに住んでいます(*^^*)〉と明かしており、劇場版『テラスハウス』の「撮影」の際に「酷いことされ」た、とも読み取れる。
さらに、松川はブログでの告白で、こうも言及していた。
〈夜はベッドが怖くて車で寝たりしてた。そんなことしてたら心がおかしくなってきて、この人たちと関わる場所にいたくないって思って。〉
「酷いこと」「夜はベッドが怖くて」──。これらの告白からは、何かしらのセクハラを受けたのではないかと憶測を呼んでも不思議ではない。
しかも、松川は『テラスハウス』映画版で菅谷哲也などの男性らを見事に手玉にとる“悪女”として登場していたが、今回のブログでは〈嫌な役もやったし嫌われてるかなーと思ったけど〉と、悪女という役回りを引き受けていたとも取れる記述も。つまり、「台本は一切ございません」という『テラスハウス』に演出があったことを匂わせていたのだ。